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『……顔面が痛いです煉獄さん』
「それはすまない!強行突破してしまった!」
『……』
「何しろ俺はAの顔が見たいからな!」
『……赤いし不細工です』
「それでも良い!」
『……』
良くない。
不細工な顔なんて出来るだけ見せたくない。
「いいから顔を上げろ!」
『……、』
だけど私は煉獄さんに逆らえるはずもなく。
容赦なく擦られた顔面をヒリヒリさせながらも、大人しく顔を上げる。
すると煉獄さんが一番最初に放った言葉。
それは…
「何だその顔は!」
『…な、何だって、』
だから不細工って言ったじゃないですか!
自分で上げろって言ったくせに!
そう思って、珍しく煉獄さんの言葉にムッとするが。
まるで私の思っている事が分かったかのように煉獄さんは「違う、そうじゃない」と急に優しい声色になって、煉獄さんは人差し指の背で私の頬を撫でる。
「どうしてそんな顔してるんだ?」
まるで私の気持ちなんて透けて見えているかのように。
堪らなく優しい瞳で、見つめてくる。
『……………多分これは、』
「……」
もう。
煉獄さんは本当にいつも。
怖いくらいに簡単に。
私の気持ちを引き出してしまう。
言わせてしまう。
『…………拗ねてる顔です…、』
「…それはなぜ?」
それに少し意地悪だ。
聞かなくても煉獄さんなら分かるくせに、
言葉にしろと言う。
ずるい。
『…………私も、煉獄さんに……、触れたかったから、です、』
隠したかった事も、結局言ってしまう。
恥ずかしくてモゴモゴとしながらだが、その小さな声は煉獄さんにちゃんと届いたのか、彼は「よもや!」なんて私の声の何十倍もの大きな声を出す。そして、
「それは嬉しいな!」
そんな言葉と同時に鼻先がもうくっつきそうなくらいの距離に、グッと寄ってくると。視界いっぱいになる煉獄さんの整った顔。
いつの間にか私の腰に回っていた煉獄さんの手が私を簡単に引き寄せるから体が密着する。
『ち、近いですっ、』
「赤いな!」
『うるさいです!』
「やはりAは可愛いな!」
『っ…!』
耳まで赤くした私と、
何だかすごく嬉しそうに笑う煉獄さん。
さっきまで私の中にあったモヤモヤはいつの間にかどこかへ消え去り……私はもう、大満足です。
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まあり(プロフ) - まゆさん» 嬉しいですーっ!読んでくださりありがとうございます!最後までぜひよろしくお願いします! (2021年3月6日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこいい、、、最高!!!!更新楽しみにしてます!頑張って下さい!応援しています!(*^^*) (2021年3月5日 21時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» すみません!修正してきました!教えてくださりありがとうございます! (2021年3月3日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 33話の次が26話ですか? (2021年3月3日 18時) (レス) id: c2c1adce1e (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 凪子さん» わーっっ!!ぜひぜひ最後までよろしくお願いします!ありがとうございますー! (2021年3月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年2月23日 21時