ー ページ4
ー
『………ぁ、』
あ、やば、声出ちゃった…
いつの間にか溢れた声に、私は知らないフリをしてサッとそこから目を逸らして箒を動かしていく。
一瞬見えたのは、りこさんが煉獄さんにくっついている姿。
煉獄さんの腕に自分の腕を絡めて、あろう事か胸を押し当てていた気もする。
さっきよりも距離が近い気も、した。
……見なければ良かった。
何だかやっぱりモヤモヤする。
自分の中に渦巻く黒い何かが広がっていくのを感じて、それが嫌で今のを記憶から消そうと左右に頭を振る。
だけど当然。そんな事で消えるはずもない。
嫌だ、なぁ。
いつもなら私の頭を撫でるその手は今、りこさんの小さな手に握られていて。
私が好きなその体温も温度も、今はりこさんだけのものだ。
……………………………………蹴り飛ばしてやろうか。
いや…ここは拳で…、
…っていうのは冗談。
女が怖い事は知ってるから。
邪魔はしない。
煉獄さんも男だし、あんな可愛い子にくっつかれて嫌な気はしないだろう。
寧ろ内心喜んでいるのではないのだろうか。
うん、きっとそうだ。
だって嫌な顔してなかったもん。
『……、』
……………もう、やめよう。
考えるのはやめておこう。
煉獄さんに撫でてもらいたくても、お話ししたくても、そばに行きたくても、今は我慢だ。
りこさんは夕方には帰る。
それまで我慢。
大人の対応をするのよA!
そしてグッと堪えた私は、ただただ無心で煉獄さんに心配そうに声をかけられるまで庭を掃き続けた。
ー
218人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まあり(プロフ) - まゆさん» 嬉しいですーっ!読んでくださりありがとうございます!最後までぜひよろしくお願いします! (2021年3月6日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこいい、、、最高!!!!更新楽しみにしてます!頑張って下さい!応援しています!(*^^*) (2021年3月5日 21時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» すみません!修正してきました!教えてくださりありがとうございます! (2021年3月3日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 33話の次が26話ですか? (2021年3月3日 18時) (レス) id: c2c1adce1e (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 凪子さん» わーっっ!!ぜひぜひ最後までよろしくお願いします!ありがとうございますー! (2021年3月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まあり | 作成日時:2021年2月23日 21時