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「じゃあ俺は部屋にいるから、何かあれば声をかけてくれ!」
煉獄さんは不思議な人だ。
彼のそばにいると堪らなく安心して、心地良くて、出来る事なら離れたくない。
そう思ってしまう。
そう思ってしまうから。
『ーっ、』
「じゃあ!」と私に背を向けここを去ろうとする煉獄さんを私の手が追いかけて気付いた時には煉獄さんの着物の袖を握っていて。煉獄さんもそれに気付いて足を止めるとこちらを振り返る。
『えっと…』
「どうしたんだ?」
『あの…』
「何でも言ってみろ!」
『……、』
「…?」
『…………寝るまでそばにいてくれませんか?煉獄さんのそばだと安心するんです』
不思議と自分でも驚くくらいに素直にこんな事を言えてしまう煉獄さんは凄い人だ。
「うむ!」
『わっ、』
「素直は良い事だ!」
煉獄さんはそう言って笑うと、大きな手を持ち上げて私の頭を優しく撫でる。
大きくて温かい手は、しのぶさんのそれとは全く違う。しのぶさんの手も好きだが、煉獄さんの手も好きかもしれない。
安心する。心が温かくなる。頭がふわふわする。もし嫌な事があっても撫でられれば吹っ飛んでしまいそうなくらいかも。
『ふふっ、』
私は撫でてくれる煉獄さんの手に擦り寄ると無意識のうちに、口角が上がる。
「Aは意外とよく笑ってくれるよな!」
『…い、意外?変、ですか?』
「ん?いいや!変じゃないぞ!嬉しいんだ!」
『そうですか?』
「あぁ!」
『煉獄さんといると、楽しくてつい、』
「それは良かった!俺もAといると楽しいぞ!」
『ふふ、嬉しいです』
それから煉獄さんはさっき言った通り、本当に私が眠りにつくまでそばにいてくれた。
時々お話をして、撫でてくれる大きな手に擦り寄ったり、私よりもずっとずっと大きなその手を握ってみたり。
ギリギリまで相手をしてくれていたのだろう。
いつ寝たかなんて覚えてないほど。
だから少し…
目覚めた時が寂しくなるんだ。
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まあり(プロフ) - annkoさん» あああっ貴重な睡眠時間をっ…!?お礼を言っても伝え切れないです…!ありがとうございます!!お仕事、頑張ってください!! (2021年3月29日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - あれから睡眠よりも続きを!…と、全て読破させていただきました!午前中の仕事に若干支障が出ています(笑)。でもそれよりも、もうニヤニヤして最高の時間でした…煉獄さん本当にかっこよすぎです!更新楽しみにしています(^^)頑張ってください! (2021年3月29日 12時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - annkoさん» annkoさんはじめまして!あああっ…お暇がありましたらぜひぜひ読んでみてください!コメントありがとうございます…!嬉しいです!! (2021年3月29日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - こんばんは!はじめまして!素敵なお話をありがとうございます(^^) 煉獄さん…本当かっこよすぎて!お話の展開もとても好きです(^^)続きを全部一気に読みたいです!更新頑張ってください(^^) (2021年3月28日 23時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - まゆさん» わーーっ!!!嬉しいです!コメありがとうございます!とても励みになります〜! (2020年12月26日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2020年11月29日 19時