Episode.24 ページ26
あぁーッ!!!!わたしの、ハンバーグがっ……!!
ハンバーグがおぼんから離れて宙を舞うのがスローモーションに見える。
まずいっ、このままじゃ……と思った刹那、ハンバーグは地面に落ちることなく誰かのお皿に見事におさまった。
『神業っ!?……って、凛!!』
ぱっと顔をあげて見てみると、不満そうな顔で私の顔をまじまじと見る凛の姿があった。
『さすが凛!私のお昼ご飯が消滅するとこだったよ……ほんとにありがと……あぁ愛しのハンバーグちゃんっ!』
私が大袈裟に反応すると、彼は呆れたようにはぁ、とため息をついた。
「…俺の目の前で二度と目障りなことはするなと言ったはずだ。」
『アッ、ハイ……ご、ごめんなさい…。』
凛は今食べ終わったとこ…?と恐る恐る聞くも、なかなか返事が返ってこない。
……
「あぁ…こいつと食べるのか?」
『……へ?世一の事?』
やっと口を開いたかと思うと、凛は世一のことを睨みつけるようにして見つめる。
「な、なんだよ……?」
世一もその視線を感じとったみたいで、少し困惑していた。
「別に。」
ボソッとそう呟く凛。
なーんでこんなに機嫌が悪いんだ!?
『うーん、凛もまだお腹すいてる…とか?あっ、そーだ、お礼に私のハンバーグ半分あげようか!?』
本当は全部食べたいけど…凛の機嫌直しのためだっ!!仕方ないっ!!
……うっ、でも、
『……やっぱり4分の1でもいい……??』
欲に負けてしまった私は、ぴえん顔をしながら凛にお願いする。
「いらない。」
『えっ、ハンバーグ要らないの!?』
ハンバーグが大好物な私は驚愕してしまった。
私ならお腹どれだけいっぱいでも一口は貰うんだけどな…なんでいらないんだろ?
(※貴方が貰って欲しくなさそうな顔をしたからです。)
『んー、じゃあ何でお詫びすればいいのかな?』
「別に要らない。」
ガーン……っ!!私からのお詫びもいらないってこと!?そ、そんなぁ……もしかして私、凛に嫌われてたり!?
ズーン…と周りに青黒いもやが見えそうなくらい落ち込んでいると、世一がさりげなく大丈夫だって、と背中をポンポンしてくれる。
『うう、世一ぃ〜…』
いつまで経っても落ち込んでいると、凛は顔を私にグッと近づけて耳元で
「そんなに詫びたいなら明日の夜、俺の部屋に来い。」
と呟いて、さっさとその場を去ってしまった。
『……へっ!?』
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黒糖さまでーす - 良い (2023年3月29日 18時) (レス) @page18 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます(;;)めっちゃモチベになりました…!これからも頑張りますので宜しくお願いします(*´˘`*) (2023年1月4日 2時) (レス) id: 708c48853c (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - りおさん» りおちゃんありがとうございます- ̗̀ ෆ( ˶'ᵕ'˶)ෆ ̖́-どんどん湧いてくるのでガンガン文字に起こしていきます……!!!もっと色んなキャラと会わせたいんですけどねっ!! (2023年1月4日 2時) (レス) id: 708c48853c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 私このお話すごく好きです!めっちゃ応援してるので頑張って下さい!! (2023年1月4日 1時) (レス) @page25 id: 6e1da832f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか | 作成日時:2022年12月24日 11時