夏の花と君と僕～夏の夜の儚い夢～ (ページ18)

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第14話満月と出逢いページ18

家に入ると置き手紙があった。

かなへ
しばらくの間お父さんも私も留守にします。

たったそれだけを残して留守にする。
今日は満月の夜...
ついつい思い出してしまうあの日。
私が告白してフラれた日がちょうど満月...
赤城くんに出会ったのも満月の夜...
親が離婚について話していて居心地が悪くなった私は外に出た。ここら辺では有名な美しい月が見える公園に...
時間的には夜遅くだったし誰もいないと思って行った。案の定誰もいない公園は静かで辛い気持ちをはき出すのにちょうど良かった
周りを気にせずに思いっきり泣いていた私、ｻﾞｸｻﾞｸｻﾞｸ
草を踏みしめる音...誰か来てしまった。
そう思って泣きやもうと思ったその時だった
「泣きたいなら泣いてていいから俺は気にしない」
何故泣いていることを知っているかわからない。だけどその言葉は私には十分過ぎた...
辛かったことも苦しかった事が独りでいた時以上に吐き出された。優しく背中を摩ってくれる誰かさん。
かな「泣いてばかりで...ごめんなさい...」
「泣きたい時にはちゃんと泣いた方がいいから」
温かい言葉が身に染みていくのが自分でも分かる。
「泣くのには理由なんて要らない。泣きたい気分なら泣けばいいべ」
理由なんて要らない...
過去の私はきっと探していたのだろう。。。
泣いてもいい理由を...
理由ばかり探して泣きたい気持ちを圧縮して泣きたい気持ちを抑えていた。
泣き止んだあと「大丈夫？」と優しい声でかけてくれた。それが出逢い。時々話す程度だったけどいつの間にか惹かれている自分がいた。思い切って告白してフラれた。
かな「泣くのには理由なんて要らないんだよね...」
何故だか凄く寂しくなって暗闇に光る月の中で私は誰にも気づかれずに涙を流した。