心の底から叫ぶんだ。【Eiji】#2 (ページ8)

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嫌いな景色。ページ8

《A side》

どうして、私だって分かったんだろう……

そうずっと考えながら事務所をあとにする。

スマホで”赤木桜本名”なんて検索しても“桜木A”なんて一切出てこない。

やっぱり雰囲気か？髪質とか……

｢うーん……？」

すると、肩になにか冷たいものを感じた。

｢嘘、雨？」

おかしい。今日の天気は晴天なのに……

傘も持ってきていない。

だんだん雨が強くなっていくので仕方なく、コンビニで雨宿りをする事にした。

ついでにタバコも買うか……

生活習慣の乱れか、私はタバコを吸うようになってしまった。

｢すいませーん、タバコ1……つ」

(エイジ)｢へー、Aタバコ吸うんだ笑」

｢あ、レシート要らないです。」

(エイジ)｢おーい、無視？」

｢すみません、あとチキン付けてください。」

(店員)｢かしこまりましたー。」

(エイジ)｢Aー？」

ほんっっとに最悪だ。嫌いな景色が今、目の前にある。

(店員)｢ありがとうごさいましったあっー！！」

｢はーい。エイジさん、チキンあげるので近づかないでください。」

(エイジ)｢いや、チキンって」

｢さようなら」

こういう場面では逃げるが勝ちだ。

(エイジ)｢でも、外めっちゃ雨降ってるよ？」

｢あ、…………そうだった。」

私とした事が……マネさん来れるかな？

(エイジ)｢俺、送ってこっか？」

｢いいです。マネさんが多分来てくれるんで。」

(エイジ)｢あぁ、そう。」

私はスマホを出し、マネさんに電話を掛けた。

｢あ、もしもしマネさん？ちょっと、５丁目のコンビニ来れる？」

(ﾏﾈ)《すみません、今会議中でして。どうかされましたか？》

｢今、雨が凄くて……1時間後に撮影があるので急ぎなんです。」

(ﾏﾈ)｢本っ当に申し訳ありませんっ。私はちょっと席を外せなくて……」

｢そうですか……」

(エイジ)｢ちょっと貸して」

｢え、待って！」

エイジが私のスマホをヒョイっと取った。

(エイジ)｢あ、マネージャーさんですか？この前共演したアバンティーズのエイジです。宜しければ、俺が送りましょうか？」