転生したから白鳥沢を勝たせたい【白鳥沢】

じゅういち ページ11

「五色ナイスキー！」
私心の中で牛若とか言ってるからもし本人にも「牛若！」とか話しかけちゃったらどうしよう。白布さんに八つ裂きにされちゃう。私まだ死ねないのに。

「Aさん今の見ました？俺のスーパーストレート！」
「はいはい今日も絶好調だねー」
「ありがとうございます！」
「前髪もかっこいいよ」
「からかってるの知ってますよ。ありがとうございます」

からかわれてるって自覚あるのにお礼言えるのすごいなー。お茶碗にご飯粒残ってるの見たことないし、お箸の持ち方も綺麗だし、そういえば字も意外ときれいだったなぁと思い出す。

白布さん字下手説あるけど実際どうなんだろう。


「おい影山、ここに居たらすぐバレちゃうぞ」
「うるせぇ、だったらここ以外にどこがあるんだよ」
「なっ……それは」
「牛若と及川さんを同時に見られるんだ、こんな機会逃せるか」
「公式戦見ろよ……」
「お前だって着いてきただろうがボゲェ」

……日向に影山だ。
村瀬さんの声ってなんであんなに可愛いんだろう。そして石川さんの声はなぜあんなにイケボなのか。ボゲェと罵られても全然不愉快にならない。というか罵られたい。影山私を罵ってくれ。

……いくか。

「君たち、何やってんの？」
「あ、すみませっ……て、Aさん？」
「ボゲェ、こんなとこにAさんがいるわけねぇだろう……が……ほんとにAさんですか」

「え、ああうん」

ポカーンとしたまま動かない烏野速攻コンビを前にたじろぐ白鳥沢のマネージャー。もしかして私をここに転生させた奴は、他の高校メンバーとも面識を持たせるように設定したのだろうか。

青城とも関わりあったし。何ならマネやってたとか言ってたよな？中学の頃の話かな……分かんないや。

じゃあ、烏野とはどんな繋がりがあるんだろう。

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