10 Wside ページ10
静かな部屋にタイピング音だけが響く
青｢んー…やっぱ山科を恨んだり悪く思う人はいなさそうだな｣
赤｢うん…これでもかってくらい真っ白｣
あまりにも交友関係がクリーンすぎる
やはりただ運悪く通り魔に襲われてしまったのか
赤｢ただ、山科より千歳花の方が気になる｣
青｢涼太も？｣
赤｢うん、｣
そう。被害者の山科悟の交友関係は限りなくクリーンなのだが、
恋人の千歳花の方が荒れているようなのだ
青｢毎日夜遅くまで飲み会、何人もの男と浮気、
ホストに貢ぎすぎて借金まで、、｣
赤｢これだけやってれば誰かしらには恨まれてるだろうね｣
余計山科が殺害された動機が分からなくなった
青｢なんで千歳じゃなくて山科だったんだ、、｣
赤｢これ以上考えても今の段階では何もわかんないね、｣
青｢そうだなあ。とりあえず一旦2件目の方行くか｣
赤｢そうしよ｣
赤｢18歳…｣
これからって時に、、
高校卒業と同時に親元を離れたのか
青｢ん？仕送りが6月で止まってる？｣
赤｢確かに、丸井自身もこの頃から
キャバクラで働き出してるから生活が苦しくなったのかもね｣
青｢うーん…｣
なんでそんな急に仕送りしなくなったんだ？
その前の月まで毎月10万仕送り出来ているならそこまで貧しかった訳でも無いだろうし
なにかきっかけがあるはず、、
青｢…あ！｣
赤｢ん？｣
青｢10万の仕送りが無くなったのは、
金銭的理由とかじゃなかった｣
赤｢え？｣
青｢5月末に丸井の両親が
事故で亡くなってる…｣
赤｢そりゃ仕送り所じゃないか…｣
青｢ただ、それ以外特に気になる所がないんだよ、｣
赤｢強いて言うなら親を憎んでそうだけど、
殺される理由にはならないしね、｣
やっぱりこれは
青｢目的のない無差別通り魔なのか？｣
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作者名：しろまる | 作成日時：2022年4月29日 23時
