真剣SUNSHINE 【 tk × in 】 (ページ10)

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家の駐車場に着けば、助手席のドアを開け、

髙「どーぞ、お嬢様。 ‥ なんてね。」

ふざけて笑いながら伊野尾くんの方を見た。

伊「俺、女じゃねーし。
てか、お前いつもこんなことやってんのかよ～。」

髙「ふはっ。」

複雑な表情の伊野尾くんが助手席に乗りこめば、
ドアを閉めた。

髙「ゆっくりしててよ。」

自分も乗り込み、車のエンジンをかけた。

伊「ふぁーい。」

伊野尾くんの方を見ると、
すでにシートを倒し、くつろいでいる。

シートに横たわり、眠そうにしている伊野尾くんが
なんだか可愛い。

助手席に躰を寄せ、触れるだけのキスをした。

不意打ちで顔を赤らめる伊野尾くんの姿に満足し、
車を走らせた。

家から海までの道なんて、何度も通ってるはずなのに、

隣に伊野尾くんが居るだけで、

こんなにも違って見えるんだね。

特に2人とも話さないで、

車内には心地よい音楽だけが流れている。

俺は片手でハンドルを握り、
もう片方の手を伊野尾くんの膝の上に置いた。

伊野尾くんが膝の上の手をぎゅっと握るから、
俺も握り返した。

誰にも邪魔されない、2人だけの空間。

赤信号で車が止まれば、

お互い見つめ合い、

どちらからともなくキスを交わした。

幸せだった。

幸せすぎて夢を見ているのかと思うくらい。

こんなにも愛しいと思える人が、
すぐ隣にいる。

握った手、絶対離さないからな。

この時は本気でそう思っていた。

海に近づけば、

伊「ねえ、髙木、この橋さ、すごいんだよ！
すごい構造になってて、これが出来た時代はね、‥ 」

と、橋や堤防の構造やら建築方法やらを
伊野尾くんが語り始めた。

半分以上ついていけなかったけど、(笑)

熱心に話している伊野尾くんを見てるのは嫌いじゃなかった。

伊「わかる？この凄さ！！」

って、キラキラの目で言われても、

髙「ごめん、ちょっとわかんねぇ。(笑)」

伊「まあ、髙木にはちょっと難しいかぁ。(笑)」

わかないけどさ、

伊野尾くんが好きなこと、興味あることを
もっともっと知りたいよ。

髙「俺も勉強してみよっかなぁ。」

なんて、言ってみたりして、。(笑)

伊野尾くんが嬉しそうにしているから、
なんだか俺まで嬉しくなってきちゃった。

そんな話しをしながら、
海近くの駐車場に車をとめた。