真剣SUNSHINE 【 tk × in 】 (ページ8)

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伊野尾くんの行きつけのご飯屋さん。

ご夫婦でやってるのかな、すごくアットホームな感じだった。

けいちゃんって呼ばれている伊野尾くんが、本当の息子のように、
おじちゃんとおばちゃんに
気を許しているのが伝わってきて、家ではこんな感じなのかなーなんて、考えたりしていた。

伊「髙木、なんにする？」

伊野尾くんがメニューをこちらに見せながら、可愛い顔して首を傾げている。

やばい、 ‥ 。

メニューではなく、伊野尾くんに見惚れていると、

伊「髙木ー？」

と、名前を呼ばれ我に返った。

髙「あ、ごめん、 ‥。全部美味そうだよね。
伊野尾くんのお勧めにしよっかな。」

伊「ふふ、髙木、もしかして優柔不断？」

まさか、伊野尾くんに見惚れてた、とも言えず、

髙「まあね、」

と適当に返事した。

正直、伊野尾くんがいつも食べてるのを食べたいって気持ちもあった。

伊「おばちゃん、いつもの２つ。」

慣れた感じで注文していた。

伊「髙木と休みが合うのって珍しいよね。
てか、休みはいつも忙しそうだしさー、髙木、。」

確かに休みは忙しい、かも。

昨日、伊野尾くんから撮影終わりに呼び止められた。

伊「髙木ー、この後時間ない？
明日休みだしさ、一緒に飯食いに行こうよ。」

すでに飲み会の予定が入っていた。

ただ最近、飲み会行って、気に入った女の子と一晩過ごすお決まりパターンに飽きていたところだった。

そして何より、伊野尾くんからの誘いは初めてだったし、断りたくなかった。

髙「特に予定はないけど。 ‥何、奢ってくれんの？」

全身で喜んでしまいそうだったけれど、それを悟られるのがなんだか恥ずかしくて、ごまかすようにふざけてみた。

伊「いいよ、奢ってやるよ。じゃあ行こ？」

今までプライベートで伊野尾くんと2人で食事ってなかったような気がする。

ずっと行きたかった、でも変に意識して誘えなくて‥。

2人で飯食って、酒飲んで、酔っ払って、
お互い相手への気持ちが溢れ出してしまった。

もうこれまでのように、気持ちを抑えられなかった。

気付けば伊野尾くん家に居て、2人で愛を確かめ合うように深く深く重なり合っていた。

あの時、伊野尾くんの誘いを断っていたら、
そもそも伊野尾くんが俺を誘ってくれなかったら、

今日の俺たちはなかった ‥。

「はい、お待ちー。」

生姜焼きの美味しそうな匂いが 2人を包んだ。