わたしの声を聞いて【斑鳩三角】 (ページ1)

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オレと一緒に来てページ1

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「このあと、女の子と出かけてくるね」
「おーわかっ、は？」

三角が唐突落とした爆弾に、天馬は反応に詰まったように固まった。
おそらく三角が言いたいのは、予定があるから稽古終わりのミーティングに出れないという話だろう。

ペットボトルを一気に煽り、机の上に置いた仕草はどこか荒々しい。
不思議と縫い付けられるように幸は三角を見ていた。
もしかしたら、意識が数秒止まっていたかもしれない。

「その子ね、久しぶりに会うんだー！すごく楽しみ」
「そうか。楽しんでこいよ」
「うん！」

あのさんかく星人に、デートという言葉が似合うのか否か。
あくまで幸目線だが、心底似合わないと思う。

常に汚れがなしの天真爛漫さ。
時間が空いたら古今東西さんかくを追い求めて、ふらふらふらふらと出かけていく姿は、遊ぶことを覚えた小学生のようだ。
ときに猫と追いかけっ子をして草むらへ突っ込んだり、木に登って葉っぱを頭に乗っけたまま寮に帰ってきたりするでかい小学生にデートなんて言う行為は似合わない気がする。
幸の頭の中に染み付いた三角のイメージなんて、そんな感じだ。
そのせいか、三角に女関係はまだ早いなんて無意識に思ってすらいた。

「その、三角はその女の人とどんな仲なんだ」
「えっとね、同級生だよ」
「高校のか？」
「うん」

あぐらをかいて足にのせていた手に力を入れてストレッチしようと思ってたのに、そのことすら忘れていた。
前のめりになりながら、三角と天馬の会話を盗み聞きする。

背後からはまだ椋と九門の芝居の声が聞こえていた。
一成は壁の端の方で昼寝中で、顔にジャージをかけている。