その顔、大嫌い【宮侑】

しかめっ面 ページ4

家に帰ると着信音が響く。当然私の携帯だ。面倒だし出なくてもいいか、と携帯を放っておく。私はソファに寝転んでリモコンに手を伸ばすも届かない。


「あー」


私はソファから転げ落ちた。


「テレビ」


リモコンを手に持って電源ボタンを押す。


楽しそうな笑い声がして嫌気がさして冷蔵庫に走りビールを手にし一気飲み。ビール持てるだけ持ってソファに走る。床に寝っ転がれば散らばるビール。






なんであんなにいつも顰めっ面ばっかしてんだろ。なんでいつもあんなに冷たいんだろ。なんでいつも私ばかり悪態つくんだろ。なんでいつも笑ってくれないんだろ。


なんで


「なんでよ」


頭おかしくなりそう。気づけばもう四本目。時間としてはさほど経っていないかもしれないが時刻は午後8時をさしている。


「いっつも一人でどっか行っちゃって。」


考えれば考えるほど思いつく不満。


「私ひとりぼっちじゃん」


涙なんてでもしなかった。また電話がかかる。出たくもない。でも携帯を手にし画面を見れば表記されているのは京治の名前。従兄弟である。応答ボタンを押して電話にでる。


「はあい」


『久々。こんな時間にごめん』


「大丈夫う」


『酔ってる？』


「酔ってますう」


『今Aの好きな居酒屋の近くにいてさ、誘おうかと思ったんだけど』


ちなみにここは兵庫県である。東京から仕事で来ると言っていたことを思い出した。


『無理だね』


「行けるよ、もう」


『あれ口調変わった』


「だるかったの」


『ああそう。じゃあ来て。Aの家知らないから』


「あーい」

しかめっ面→←しかめっ面

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す