検索窓
今日:5 hit、昨日:21 hit、合計:138,021 hit

しかめっ面 ページ15

目を覚ませば午前7時27分をさしていた。隣に侑の姿はなくて皺くちゃなシーツが在るだけだった。私は重たい体を起こしていつも通り仕事に行く服に着替えた。


変な夢見たなあ、と気分も上がらないまま家を出た。






「おはようございます」


「おはよう」


みんなから返事が返ってくるこの空間が好きなおかげで仕事が好きになった。うちの会社はブラックから程遠い純白で裏での悪口もなければ挨拶は絶対だしマイナス発言は禁止だった。


まるで小学校の規則みたいな。


「あれ、今日信介くんは」


私がそういうと片方の隣の片瀬さんが答える。


「今日はなんかの事情でお休みです!」


可愛らしい彼女に微笑んでありがとう、と言った。


「おはようございます」


何故かスーツに袖を通さず肩にかけているこの男は北信介。遅れると言っても約2分ほどしか遅れていなかった。これが彼の誠実さだ。少しでも遅れると思えばちゃんと連絡する。


「おはよう」


「Aさん仕事捗ってます?」


信介くんが私のパソコンを覗く。


「普通かな。いつも通り。」


「俺昨日家で仕事終わらせたんでないんですよ」


彼は仕事熱心だ。休みの日でも時間があれば終わらせられることは終わらせる。そんな彼は私の仕事を手伝ってくれる。


「暇なのに仕事くる必要ある?」


「ありますよ。Aさんに会いに来た、それだけです」


きゃー、と片瀬さんは頬を抑え青春ですなあ、と目を輝かせる。


「はいはい、そういう冗談いいから」


この歳にしてモテ期来ても困るから、なんて呟くとAさんはいつもモテ期来てますよ、と信介くんは笑う。彼はいつも固いからなんか笑っているところを見ると心が綻ぶ。


「まあそんなこと言ってると侑に怒られるんですけど」


「ありゃ、そうなの」


「嫉妬深いやつやから、Aさんも気をつけた方がいいですよ」


「……ふーん」


唇を噛み締めてEnterキーを押した。

しかめっ面→←しかめっ面



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (155 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
229人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 宮侑 , 赤葦京治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ナッポレオン(プロフ) - とても素敵な作品をありがとうございました! (2018年12月22日 23時) (レス) id: 8e13bd886f (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - チョーク*さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです!涙が出るくらいに!応援していただきありがとうございます!完結いたしました!楽しみにしてくださってたのに申し訳ないです!評価押して下さりありがとうございます!! (2018年5月17日 23時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
チョーク*(プロフ) - この作品本当に大好きです…!こんなお話は余り見ないし、素敵な作品は久しぶりなので「ヤバいヤバい!」ってつい言いながら見てしまいます(笑)評価ボタンも毎回押しては無効だったり…とにかく大好きです!自分のペースで大丈夫ですよ、気ままに更新待っております^^* (2018年5月17日 16時) (レス) id: e74d4ea6bf (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - るかちさん» ありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです!!毎回押してくれるなんて!涙が出ますよ!!楽しみにしててください!頑張ります! (2018年5月16日 7時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
るかち(プロフ) - 1話更新されるたびに「あああ尊い」ってなりながら毎回投票済みの評価ボタンを押してしまいます。これからも楽しみにしてます。いつも応援してます! (2018年5月15日 23時) (レス) id: 2cef0ad450 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:穀海* | 作成日時:2018年5月4日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。