引越し先まじオワタ【松川一静】 (ページ5)

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オワタ。ページ5

Aがそう言うと場の空気が凍りつく。

汗汗していたあの雰囲気はボロボロと崩れていった。

沈黙が漂う中、及川が

「え、それ……ホント？」

と言った。

Aはコクリと頷いた。

何故こんな若いのに死んだのか。

俺らはそれを考えた。

じゃあここは幽霊物件という事か。

「な、なんで死人なんだ？！」

金田一がそう言うとAは笑った。

「餓死だよ、餓死。」

確かに、見れば痩せていて。

だけど餓死とまでいくような細さではない。

が、

「ほ、本当に？」

花が腰を屈めてそう言うと。

『他にも理由があるからね。』と言った。

「お前、いくつだ」

岩泉がそう言うとAはまた笑った。

「何歳に見える？」

たのしそうに言った。

「…９歳くらい？」

国見がそう言うと

「ざーんねん！高校生だよ！」

予想外な回答。

全員ポカンとしていた。

だってその体つきで

その身長で

その雰囲気で。

「成長したのは心と脳だけ。」

意味不明だ。

「この体は、全然成長しなくてさ！」

少し寂しそうに笑う。

全員が聞き入った。

「大好きだった人とも、別れちゃってね。ハハッごめんね。何か。ここは私の家だったところ！だからここにいるよ。」

バッと手を広げて俺のベッドにダイブ。

「久しぶりに人が来て、凄く嬉しい。みんな怖がって出て行っちゃうから！」

ニカッと笑った。

その笑顔はもはや死んでしまったとは思えないくらいの太陽みたいな笑顔。

可愛いなんて思ってしまった。