おまけすんちょる3

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｢ これですよね？買おうとしてたの｣


｢ そ、そうです｣






飲みたかったオレンジジュースを指さす彼に頷いて

どうしよう、ちゃんと断わらないと







｢ 俺も買いたいのあるんで、ついでに ｣


｢ な！本当に大丈夫ですから！｣








悩んでいるうちにレジまで持っていかれたジュース

"ついでに"って言ってたのに自分は何も選んでなくて
一体この人は何を思って私なんかに...








｢ はい。あ、お金返せなんて言いませんよ｣


｢ …本当にありがとうございます｣


｢ いえ、じゃ｣







お金返せなんて言わない、その次の言葉を待ってた

でも彼は私の待ってた言葉を言わずに
コンビニから出ていこうとしていた。



…本当にただ払ってくれただけ？






渡されたオレンジジュースと彼の後姿を見ながら
色々と疑ってしまった自分が情けなくなった。







｢ あ！あの！｣







そう叫んでも、彼は振り返ってはくれなくて

こんなの初めてだ。親切にされるなんて




金持ちはジス以外、意地悪ばかりだと思っていた。
平気で人のことを馬鹿にして嘲笑う人達ばかりだと









｢ 金持ちはジス以外意地悪しかいないと思ってました！
貴方みたいないい人もいるんですね！｣









一度も振り返ってはくれなかったけど、

手だけ振ってくれた彼に感じた事のない気持ちに包まれた









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｢ ねえ、どうしてもわからない？｣


｢ 残念だけど全く｣


｢ 人調べ得意分野でしょ？｣


｢ 名前分からないと無理だよ｣







ジスにあの日起きたことを鮮明に話して

誰か分からないかと毎日しつこく聞いている。








｢ 特徴だけじゃ分からない？！｣


｢ わかんない ｣


｢ ちっ、使えない ｣


｢ あのねえ｣







広すぎる学校内を毎日探し回って


何故ここまでするのか自分でもわからなくて
ただ、もう一度会いたいそれだけだった。






でもある日、ジスから






｢ Aの探してる人わかったけど、｣


｢ え！本当？｣


｢ この学校にはもういないよ。アメリカにいる｣


｢ …アメリカ？｣









もう一度だけでいいから会いたかったな。









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