おまけすんちょる3

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スマートフォンで本を読めるようになってから
なかなか足を運ばなかった本屋さん


大学受験の時、必死に参考書選びしてたななんて









｢ …こんなにあんの ｣








英語が共通語とはいえ、フランスの言語はフランス語
話せるに越したことはないだろうと思った。


でも、こんなに沢山の種類があるとは予想外で
一体何が使いやすいのか全くわからない。







｢ お姉さんお姉さん｣


｢ お姉さん…私？｣


｢ そうそうお姉さん ｣





ひょこっと本棚の後ろから現れたお爺ちゃん

かれこれ1時間ここにいるから怪しまれたのだろうか






｢ 探し物です？｣


｢ あ、まあ…はは｣


｢ おっと、お姉さんフランス語喋れるのかね？｣


｢ いやいや！喋れません！勉強しようと思って…｣


｢ 若い人はいいねぇ ｣





そう言うと、上の棚にあった1冊の本を取るお爺ちゃん






｢ はい、これ ｣


｢ これは？｣


｢ 勉強するならこれが一番いいよ。オススメ｣


｢ これですか｣


｢ わし、フランス語の先生してた時期があっての｣







30年くらいずっと大学でフランス語教えていて
その時使っていた参考書らしい。

こうして本屋に来て、オススメしてるとのこと



どれがいいのか悩んでたから有難い。








｢ これ一冊で完璧 ｣


｢ ありがとうございます！｣


｢ 留学でもするのかね｣


｢ 留学...そんな感じです｣





好きで勉強するんじゃないはずだったのに

このお爺ちゃんを見てると、一つ自信になる事を身に付けるのも悪くないかもしれないと思ってしまった。






｢ 羨ましい若いからなんでも出来て｣


｢ そんなそんな ｣


｢ 未来は明るいのお。頑張りなさい ｣


｢ …頑張ります｣








未来は明るい

そんな未来、いつか私の元へ来てくれるのだろうか




希望を抱いている人達とは対照的に、私は真っ暗で
いつからだろうか"明るい未来"を望まなくなったのは。









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｢ A？｣






本屋さんから出てすぐ、よく知る声に呼び止められた

本を隠すようにバッグに無理矢理押し込む







｢ …スンチョル ｣


｢ 久しぶり ｣


｢ うん ｣


｢ …あのさ、A｣







ここにいては駄目だとサイレンが鳴り響いて

逃げようとすると手を掴まれてしまった。






その手を振り解けない自分が嫌になる









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