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坂田はエプロンを結び、レシピを調べる。
焼き魚はだいたい出来る。
問題は豚汁だ。
坂「センラ〜。これでいいかな？」
せ「いいんちゃいます？」
坂田は何種類かあるレシピから一つをセンラに見せた。
早速、じゃがいもとにんじんを銀杏切りにして、
豚肉を食べやすいサイズに切り始めた。
坂「ごぼうは・・・さきがけ・・・？せんら、さきがけって何？」
あまり料理をしない、いや、レシピを見ない坂田には聞き覚えのない言葉だった。
せ「さきがけは、ごぼうの先を尖らせるようにきるんですよ？」
説明しながら、センラは少しやって見せた。
すると坂田は、すぐに容量を掴み、上手にごぼうを切り終えた。
野菜の水気をしっかりきって、豚肉を炒めた。
いい具合に焼き色が付いたら、野菜を入れる。
坂「水と・・・ほんだし・・・・はこれか！」
調味料のある棚からほんだしをとり、水に入れる。
坂「１０分待つんやな。」
ここまでは順調だった。
待っている間に魚に様子を見てみた。
せ「魚は、もういいんちゃいます？」
センラは、坂田に伝言をして火を止めさせた。
食器などを準備している間に１０分が経っており、
坂田はみそを取り出す。
灰汁を全部取って、お玉でみそを溶かす。
坂「俺、知ってるで。この汁で先に溶ききらせてからお鍋にいれるんやろ？」
せ「そうです、そうです。」
坂田が唯一知っている料理テクニック。
味を調えて、豚汁が完成した。
時刻は１８：３０を廻っていた。
志「ただいま〜。ええ匂いやな。」
う「まーしぃ、おかえり。今日は坂田が作ってんだって。」
志「そうなんか！？心配やんな〜・・・」
坂「出来たよ〜！食べよ、食べよ！」
うらたと志麻は盛りつけられた料理を眺め、息を呑んだ。
いつもお茶らけている末っ子が作ったとは思えないほどよく出来ている。
う「坂田、すっげえ・・・すげえよ、お前！」
志「ほんますっごいわ！さすがやな！」
二人に褒められた坂田は満足げに笑っている。
せ「冷めないうちに食べましょう？」
四人は、談笑しながら、晩ごはんを済ませた。
坂田は三人に言いたいことがあり、勇気を出していった。
坂「俺、末っ子やけど、やるときは、やるから。
俺も大人なんやよ？」
う「わかってるよ。」
志「それは、坂田がな？」
せ「かわいいからなんよ。」
この日を境に浦島坂田船の絆はよりいっそう深まったらしい・・・
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作者名：にょんこ0602 | 作成日時：2017年10月6日 19時
