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あの後、学校に遅れそうなことに気付いた私は同じ制服を着た集団の中に入っていった。
小さな紙切れを、握りしめて。
その紙切れには、長い数字の羅列がボールペンの字で規則正しく並んでいた。
電話番号…。
今日はまるで学校での記憶が残らない日だ。
ぽーっと微かに赤い頬を頬杖をつくようにして隠す私は、授業が頭に入ってこなかった。
こんなこと、あるんだ。
まるでおとぎ話かのような出会いに心が暖かくなって、ふわふわと夢見心地だった。
途中でクラスメイトの竈門くんに心配されてしまったけれど、何とか逃げ切った。
私、 そんなに様子おかしかったのかな。
最後の、総合の時間までどこか上の空だった私を友達は心配してくれたけれど正直なんて返したかも分からない。大丈夫だよ、とかありがとう、とか言った気もするけれど。
兎に角はやくかえってこの電話番号に電話をかけてみたい、そんな一心でいつもよりも歩幅を大きくして頑張って歩いた。
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作者名:白桃。 | 作成日時:2020年1月31日 22時