紅茶 1-2 ページ42
「…へ？」
つい素っ頓狂な声を上げてしまった。
「なんだ、ダメなのか？」
何故シャオロンたちはよくて…といじけ気味にぼやくグルッペン様。
「だ、ダメなんかじゃ…！」
「そうか、では」
ひょい、と私の皿から肉まんを一つ手に取り、一口齧る。
「……！」
グルッペン様はあまり食に関心が無いと思っていたので、肉まんにも興味がないものかと思っていたけれど…。
先程まで走っていたみたいだし、たまたまお腹が空いていたのかしら？
「えっ、うっまいなこれ！？」
「あ、ありがとうございます」
それからは目を輝かせながら無言でもぐもぐと…否、もっきゅもっきゅと食べ勧めていき、満足そうにふぅと息を吐いた。
「いやぁ、久々に食事でここまで心が踊ったな！じゃあ、私はこれで失礼するゾ！」
と、入ってきたドアの方に足を進め扉を開けるグルッペン様だった。
…が、彼は食欲を満たしたせいか、ご自分の置かれている状況をすっかり忘れていたらしい。
グルッペン様が扉を開ける直前、向こうから勝手に開いたのだ。
「ハァ、ハァッ…！こんなとこにおったんやな、グルッペン！」
そしてそこには、先程までのグルッペン様同様に、息を切らしたトントン様が立っていた。
…大変ご立腹のようだ。
「クッソ見つけるの早いんだよお前！」
「はよ見つけなアカンに決まっとるやろ！アンタの息抜き一旦許すとメッチャ長いんですから！」
周りの幹部はまた始まった…と言わんばかりに二人の言い合いを諦観している。
だが、一人だけやけに顔を青ざめた様子の者がいた。
大先生だ。彼はこっそりと私の方へ来て小声でこう言った。
「Aちゃん、はよこの場所離れんと僕マジでアカンことになるからさ、なるべく音立てずに移動できる？」
「あかんこと…ですか？」
私もなるべく小声で返すが、一体何があかんのだろうか。
とりあえず静かに席を立ち、移動を始めようとする…が、肉まんがいくつか残ってしまっているのが少し気になった。
「あ、残っとる肉まんはエミさんが食べてくれると思うからそのままにしとこ」
「えっ、頂いて良いなら喜んで！」
私の視線に気づき、お二人がそう言ってくださったのでそのまま食堂を後にしようとした。
その時だった
「トントン、お前も腹が減って気が立っているんじゃないか？…お、まだ残っているな！これでも食べとけ！」
ズカズカとこちらに向かってきたグルッペン様は、残っていた肉まんを掴み、トントン様の方に戻ると口に無理やり押し込んだ。
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りんか(プロフ) - 加藤さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年1月16日 23時) (
レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - とても続きが気になるお話で、見入ってしまいました！！！更新を楽しみにお待ちしております！！ (2020年1月15日 13時) (レス) id: 0bfcc62a2f (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - ゆきなさん» ですね！教えていただいて助かります！ (2020年1月8日 23時) (レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - 琴律さん» 動画サイトでのチャンネル名などがフューラー表記でしたので一応フューラーが正しいのかなと思い急いで訂正しておきました！お優しいお言葉ありがとうございます！！ (2020年1月8日 23時) (レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - グルなんちゃらは苗はフューラーっす！ (2019年12月29日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんか | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/943dc2385b1/
作成日時：2019年3月21日 21時
