イレギュラー 1-3 ページ40
「この国では少し珍しいかもしれませんね。ですが、東の方にある国では広く浸透され、食べられていますよ」
後ろから突然、ゾム様の疑問に答える声がした。
「お、エミさん！なんか久々に見たわ」
「出イキリおつでーす」
「先ほどぶりですね、エーミールさん」
私の後ろから説明をしてくれたのは、エーミールさんだった。
「さすがにこの時間ですからね、小腹が空いてしまいまして…なにか軽く食べようと思ったんです」
「あ、じゃあエミさんもこれ食べる？」
お兄様は自分の皿の上にある肉まんを指差して言った。
「ええ！？美味しそうですが…兄さんの食べる分が無くなってしまいますよ」
申し訳無さそうに首を振り断るエーミールさんに、お兄様は笑顔で答えた。
「いいよ、どうせ俺はもうお腹満たされたし…あ、Aちゃん、これめちゃくちゃ美味しかったよ、ありがとね」
「い、いえ！お兄様の持っていた粉のおかげですから…」
私の返事を聞くやいなや、半ば押し付けるように肉まんをエーミールさんに渡し早足でどこかへ行ってしまった。
お兄様、突然どうしたのだろうか…？
「ええっと…では、いただきます？」
エーミールさんもよく分からないといった顔で肉まんを手にとっていた。
「…！これ、とっても美味しいですね！一度別の国で食した事があるのですが、比べ物にならないです！」
少し冷めているのに生地が柔らかい…！とエーミールさんは大変目を輝かせて食べてくれて嬉しい限りだ。
思ったよりも昼食の時間はゆったりと出来そうだ。
「……」
コネシマ様からじっとりとした視線がなければ、だが…。
「あの〜、紅茶のおかわりいかがですか？」
「え？」
突然紅茶のポットを持ってきたのは使用人の一人…ではなくチーノ様だった。
「あ…ありがとうございます…？」
ポットを受け取ろうとすると、なぜかチーノ様は私のカップを手にとった。
「じ、自分で注ぎますので…！」
「いえいえそんな！お任せください！」
力づくでカップを奪われ、紅茶を注がれてしまう。
…急にどうしたというのだろうか？
「さ、どうぞお召し上がりください！」
グルグルメガネで隠され瞳は見えないが、口角の上がった笑顔で勧められる。
「ありがとう、ございます。……？」
動揺しながらもカップを手に取ると、中身の違和感に気づく。
……紅茶の色、こんなだったかしら？
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りんか(プロフ) - 加藤さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年1月16日 23時) (
レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - とても続きが気になるお話で、見入ってしまいました！！！更新を楽しみにお待ちしております！！ (2020年1月15日 13時) (レス) id: 0bfcc62a2f (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - ゆきなさん» ですね！教えていただいて助かります！ (2020年1月8日 23時) (レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - 琴律さん» 動画サイトでのチャンネル名などがフューラー表記でしたので一応フューラーが正しいのかなと思い急いで訂正しておきました！お優しいお言葉ありがとうございます！！ (2020年1月8日 23時) (レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - グルなんちゃらは苗はフューラーっす！ (2019年12月29日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんか | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/943dc2385b1/
作成日時：2019年3月21日 21時
