イレギュラー 1-2 ページ39
「ん、どうかした？」
お兄様は私の方を向いて首を傾げている。
「ええっと…いま、名前を…」
「あ、嫌だった？」
眉をハの字にされ、ごめんね？と言われてしまう。
「そ、そんなことはありません！急だったので驚いただけです…是非、名前で呼んでください」
朝、お兄様に急に態度を変えられたのがよほど心に響いていたようで、名前で呼ばれたのが本当に嬉しくて破顔してしまう。
「俺、トントンに刺されるかもなぁ…」
「…？」
急に遠い目になり、小声で何か言っていたがその声はシャオロン様にかき消された。
「兄さん、はよ分けてや！」
焦れったそうにそう叫ぶシャオロン様と、同調するように頷いているゾム様にはいはい、とお兄様は肉まんを分けてあげていた。
さて、私もいただこう…ついでに考えなければいけないこともあるし。
今、私は大問題に直面している。
というのも、先程出会ったショッピ様とチーノ様の存在について、だ。
私が読んでいた前世の小説…その作品に二人は登場しない、完全にイレギュラーなのだ。
チラ、と横目で近くにいる二人を観察してみる。
コネシマ様と何か話し込んでいるようで、真剣な顔をしている…
…ん？
何故だろう、二人の服は少し汚れているように見える。
特に分かりやすいのはショッピ様のヘルメットだろうか、泥が付いてしまっている。
…まぁ、そんなことがわかっても何の対処も取れないか…。
「ショッピ様、チーノ様！おかえりになっていたのですか！？」
突然、食堂に大きな声が響き渡った。
声の発信源は、先程まで共に厨房に居た料理長だった。
しばらく様子を見守っていると、以下の事がわかった。
まず、ショッピ様とチーノ様は任務で城を空けていたこと。
急な帰還だったため、幹部でさえも一部の者しか城に居ることを知らなかったこと。
それで何故料理長が動揺しているのかというと、二人の分の昼食を用意出来ていなかったから。
ということだった。
大変申し訳ありません…と謝る料理長に二人は昼食はいらないから戻っていいと伝えていた。
「なぁ、A様、コレめっちゃうまい！何ていう食べ物なん？」
気づけばゾム様が肉まんを片手に私の隣まで着ていた。
「っ！？ええっと、そちらは肉まんといいます、ゾム様」
考え事のせいでゾム様が近づいてきていることに全く気づかなかった…。
「にくまん…聞いたことないな」
「そう、なのですか…？」
うーん、絶対小説の中でゾム様は肉まんを頬張っていたはず…。
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りんか(プロフ) - 加藤さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年1月16日 23時) (
レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - とても続きが気になるお話で、見入ってしまいました！！！更新を楽しみにお待ちしております！！ (2020年1月15日 13時) (レス) id: 0bfcc62a2f (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - ゆきなさん» ですね！教えていただいて助かります！ (2020年1月8日 23時) (レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - 琴律さん» 動画サイトでのチャンネル名などがフューラー表記でしたので一応フューラーが正しいのかなと思い急いで訂正しておきました！お優しいお言葉ありがとうございます！！ (2020年1月8日 23時) (レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - グルなんちゃらは苗はフューラーっす！ (2019年12月29日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんか | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/943dc2385b1/
作成日時：2019年3月21日 21時
