幹部との交流 1-4 ページ20
「それに、使用人に関しましては一番信用が置けると感じていましたので…。」
チラ、とリリィを見れば、パッと顔を輝かせて彼女もこちらを見ていた。
「世話係との相性がよかったのか、良いことだな。」
それに、とグルッペン様は続ける。
「君が何も知らずに来てしまったこと、家族からの君の価値。そこだけを見れば確かに君は、家族から捨てられたのかもしれないな。」
「…はい。」
やはり、私の国があまり損をしていない、となると今回の約束は最悪白紙になってしまうだろうか。
「だが…国から見た君の価値はどうだ？」
国から…？
「表向きは、良い家族を演じていたのなら君の国の人間はきっと王族に憧れを持っていたんじゃないか？そして君は自分よりも国民を心配するほど、国民を大事に思っている。」
「つまり、どういうことでしょうか…？」
私が頭にクエスチョンマークを浮かべていると、グルッペン様は分からないのか？とため息を吐きながら言った。
「つまり、家族からどうされていようが、国民が君を尊敬し、憧れ、信用されている。それだけで君の価値は計り知れないほどある。」
「そういえば、昨日の誕生会では俺と話す前に男の子から花束もらいよったよな。」
「え？ええ、家族で花屋を経営しているところの男の子で…。」
突然、ゾム様に話しかけられて驚いた。
…あの花束、大事にしようと思ったのにあそこに置いて来ちゃったな。
「そうやって国民を愛し、愛された姫が突然攫われたとなると向こうの国民が国王からどんな説明を受け、何を考え、何をしでかすかは分からないが…今のところは大丈夫だろう。」
話は終わりだ。とグルッペン様は自室に戻られた。
「…ふぅ。」
私は席に着き、小さくため息を吐く。
「お疲れ様でした…大丈夫ですか？」
トントン様は私を労わるように話しかけられる。
「はい、なんとか…。」
緊張はしたが、国民の無事と自己紹介、ついでに家族の話もできたしよかった。
「じゃあ飯食おうや！」
ゾム様が大きな声でそう言い、いただきます！と手を合わせて凄い勢いで食事を始めた。
他のメンバーもその後に続き食べ始める。
私も食べよう…こんなには入らないと思うけど…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1959人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんか(プロフ) - 加藤さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年1月16日 23時) (
レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - とても続きが気になるお話で、見入ってしまいました！！！更新を楽しみにお待ちしております！！ (2020年1月15日 13時) (レス) id: 0bfcc62a2f (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - ゆきなさん» ですね！教えていただいて助かります！ (2020年1月8日 23時) (レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - 琴律さん» 動画サイトでのチャンネル名などがフューラー表記でしたので一応フューラーが正しいのかなと思い急いで訂正しておきました！お優しいお言葉ありがとうございます！！ (2020年1月8日 23時) (レス) id: 9d47de4481 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - グルなんちゃらは苗はフューラーっす！ (2019年12月29日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんか | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/943dc2385b1/
作成日時：2019年3月21日 21時
