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「病院でも少し話をしたけど、改めて最初から聞いて欲しい。」
そんな言葉から始まった零とのこれまでの話は、3つ子が生まれる前に遡り、私の話も全て終えた時にはもう日付を越えてしまっていた。
「これで、今までの事全部だ。仕事の内容全ては守秘義務があるから言えないが、それでもギリギリの所まで全て話した。聞きたくないことの方が多かっただろう?すまない。」
そんな言葉でしめた零は、自嘲気味に笑った。それを見て、私は顔を顰める。
確かに、聞いていてつらいものも沢山あった。
怒りたくなるような事や耳を塞ぎたくなる事まで。
でも、それでも。
「話してもらえない...知らないよりずっといいよ。」
だから、話してくれてありがとう。
そう言ってそっと零を抱き締めれば、眉を下げた零はふにゃりと表情を崩す。
「こちらこそ、聞いてくれてありがとう。後は...これからの事、話そう。」
「うん、話そう?そういえば昇進したっていってたよね??」
「あぁ、そうなんだ。昇進して警視正となった。それから、安室透としての顔が広がりすぎてこれ以上の潜入調査は出来ないと判断されたからこれからは基本ディスクワークになる予定だ。身の危険も今までよりはマシになるし帰宅もある程度目処がつく。」
「そっか、おめでとう。そしたらもしかして一緒暮らせ「A、俺に言わせて?」...はい。」
一緒に暮らせるね、と言おうとすれば、被せるように口を開いた零にそう言われて大人しく口を閉じる。
それを見て決まらないな、と小さく笑った零はふぅ、と息をついてから口を開いた。
「普通の家庭みたいに、必ず帰れるわけではないけど。それでも俺が帰る家にAがいて欲しい。勝手に消えてごめん。待たせてごめん。それでも...手放せなくてごめん。A、どうか俺の帰る場所になってくれないか?」
結婚、しよう。
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すず(プロフ) - 更新待ってます (4月20日 17時) (レス) id: 2af65047db (このIDを非表示/違反報告)
しろ - 感動。 3子ちゃん尊い (3月12日 21時) (レス) @page35 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
TAKE - こんなに最高で泣ける作品初めてです!頑張って下さい!! (7月8日 0時) (レス) @page35 id: 20d3cc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ@前垢消えた(プロフ) - 神作品をありがとうございます。、、。、、、おかげで涙が止まりません、、、、尊いのをありがとう (5月14日 13時) (レス) @page35 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - はじめまして、2月に入りこちらの作品を見つけ、ようやく最終更新まで読み進められました…!続きを楽しみに待っています! (2023年2月4日 2時) (レス) @page35 id: 240298aea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真紘 | 作成日時:2019年1月1日 21時