検索窓
今日:21 hit、昨日:24 hit、合計:456,874 hit

夢みたいな現実。41 ページ41

「おい見習い」

「っはい、何でしょう、和泉守さん」


配り終わり、さて自分の席はどこかと探そうと思った時、後ろから兼さんが圧たっっぷりの声色で話しかけて来なすった。え、ムリ推しなんだけど、顔見れない。


「……こっち来い」


そう言われ、強引に手を引かれてどこかに連れていかれる。え、何どこ行くの? お腹空きました、食べさせてください、食べないで!(必死)

とはいえ、表情に出すわけにもいかず私の顔は無表情そのものだ。つらい。


「ひゅ〜う、お熱いね〜」

「っな、んだと……テメェらが連れて来いって言ったんじゃねぇか!」


そうそうそうそう。これですこれ。私が求めてた刀剣乱舞は。

加州と安定が茶化したり笑ったりしてる一方、それに対して「お前らが言ったんだろ!」と激怒してる兼さんを堀川がまぁまぁと宥めている。

この光景を見たかった。

え? 私嫌がられてるって?
そんなもん、私は空気と思ってればいいのサ。こんなブスここにいない方がいいんだし()


「あっはは、見習いさん、こっち来て一緒に食べない?」


ひとしきり笑ったのか、安定が問いかけてくる。
あー、そう言えば私連れてこられたんでしたっけ。などど、冷静な頭で考える。

だが、脳を過ぎるのは、昨日の冷たい視線。

全員は確認してないから分からないが、沖田組は確実にその視線を私に向けていたはず。

なのに、何故__?

頭を過ぎる。
行きたいのに、行けない。足がすくむ。なんだか吐き気もある気がする。

一歩、下がる。口元を抑えて、下を向く。


ダメだダメだ。顔を上げて何か言わないと……!



「__い、おい!」

「っ!」


急に大きな声が頭に響いてきて、ハッとする。
そして、一度控え目に深呼吸をして顔を上げる。


「すみません……はい、私なんかで良ければ」


そう言って、きっと私のために空けといてくれたであろう空席に行こうとする。したんだけど……





…………………なんでこうなった。

夢みたいな現実。42→←夢みたいな現実。40



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (542 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1206人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , トリップ , 勘違い
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。