夢みたいな現実。30 ページ30
主君のお部屋から、粟田口の部屋は少しばかり距離がある。
走っていくわけにもいかないので、ゆっくり歩いていくことにした。
その最中、ふと、横目に映った離れを見る。
離れは、ここから歩いて数分のところにあるが、やけにその距離が遠く感じた。
…ん? よく見ると、明かりがまだ付いているような…
目を凝らして見てみると、やっぱり。
何をしているのか気になりはしたが、今は確かめることなど出来ないので、明日平野と一緒に来ようと結論づけた。
夜の本丸はやはり不思議だ。
人の身を得てから、何度か歩いたことがある。
それでもやっぱり慣れないのは、昼間は常に誰かの声が聞こえた。けれど、今は虫の鳴き声が聞こえるだけということ。
進む道は月明かりだけが照らしてくれる。
当然、誰かとすれ違うこともない。
___ポツン、と、僕だけがここに居るみたいに。
僕だけではないはずなのに、孤独になった気がした。
そして、脳裏に映るのは 【見習いさんの、あの顔】。
今にも崩れ落ちてしまいそうなほど、美しくも、儚い涙。
それを思い出す度、僕の胸はキツく締め付けられたように苦しくなる。
ああ、駄目だ。 泣いてしまってしまっては駄目。
本当泣き叫びたいのは、見習いさんのはずだから。
でも、少しでも、貴方の支えになるのなら__
僕がそばに居ても、良いですか?
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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時