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夢みたいな現実。29 ページ29

主君の顔色をうかがいながらそっと聞く。

すると、


「私は…正直、怪しいと思ってた。
…でも、でもさ、前田の話を聞く限り、傷ついたのは私たちより見習いさんの方が大きかったのかもね」



僕は言葉の意味が分からず、頭にハテナを浮かべた。 僕の先程の内容に、そこまでの説得力があったのでしょうか…

そんな僕を見かねて、主君が微笑んだ。


「前田は、そんな深く考えなくていいよ」


苦しそうに言う主君の表情に、僕はますます言葉を失うばかりだ。


「しゅ、主君…
 
 そんなに苦しそうに笑わないで下さい。 言わなければいけないことがあるのならば、はっきりと言ってもらわないと…僕には分かりません……」

「…うん。 ありがとう……でも、今は言えない」


主君は一度目を瞑ると、数秒ののち、そっと目を開けた。


「…さて、前田! もう一度聞くようだけど、あなたの意見を聞かせて欲しいな」

「…はい。

 あの場で反対する勇気のなかった意気地なしの僕にも、何かあの方の…見習いさんの役に立つことが出来るなら、




この状況をどうにかして差し上げたいです」




主君の目を見て言う。
こんな闇夜でも美しく輝くような、そんな瞳と目を合わせながら。

主君も目を逸らさないでいてくれた。
おそらく、僕の覚悟を見分けるためにそうしているのだと思う。


「……うん、よろしい! それでこそ刀剣男士だ!
では早速、明日からでも見習いさんと仲良くしよう!」

「ですが、具体的にはどのような対処を?」

「うーん…私たちと仲良くしてるの見たら、自然と誤解は解けるんじゃないかな?」

「名案です、主君!」


さすが主君ですね、僕には想像出来なかったことを当たり前のように提案してくれる。

僕に新しい道を教えて下さる、憧れのお人です。



僕は、そればかり考えていて、主君の顔が一瞬曇ったことに気付けなかった。


「じゃあ、明日はこんな感じで。
今日はもう遅いし、早く寝な」

「はい。では主君も、おやすみなさい」

「うん、おやすみ」

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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時

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