夢みたいな現実。２３ ページ23
彼女が去っていった。
涙を流しながら。
まるで、もう苦しいから と訴える瞳で。
彼女が去っていった後のその部屋には、ただただ沈黙があるだけだった。
誰も、何も言わない。
先程まで彼女に不満をぶつけていた者も、
興味のないような眼をした者も、
はたまたこんのすけさえも。
「ど、して…」
誰かがポツリ、と呟いた。
それが誰の言葉だったか、確かめる者は
誰一人として 居なかった。
「……ぁ、み、皆！」
すると、審神者が沈黙を破る。
静かな部屋に声が反響する。
「ご、ご飯……冷めちゃうし、食べない？ ほら！ 作ってくれた歌仙やみっちゃんたちにも失礼だし！」
なるべく明るく振舞う審神者とは裏腹に、部屋には暗い空気が流れるばかりだ。
「………そうだね。 せっかく僕たちが作ったんだ、残さないでくれよ？」
歌仙はいつも通り話す。
それでもまだ、誰も動こうとしない。
しかし、ポツリポツリと視線を食事に向ける者たちが現れた。
その際にも言葉は一つもない。
いつも通り美味しく頂けるはずの料理は、その日だけ、寂しい味がしたそうな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1206人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です！！謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます！ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (
レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました！ありがとうございます！主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です！ (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ！！涙が止まらないなんて.......ありがとうございます！！これからも長く続けられるよう、推進して参ります！ (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 一気読みさせてもらいました！涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ！ (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません！一目惚れして頂いて感謝です！まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします！ (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋月なのは | 作成日時：2017年8月15日 15時
