キュート・アグレッション【キミガシネ】【短編集】

【月見真】盲目な瞳に ページ5

※盲目＆病弱な夢主さん
※デスゲーム前の世界線
※捏造あり





『ねぇねぇ、シン君。』


「ん？どうしたの？」


『この目って、どうしたら治るのかなぁ。』


私は幼稚園の時、高熱で両目を失明してしまった。

しかも、生まれつき体が弱くて入院なんてしょっちゅうで。

家が近くということで仲良くなったシン君は私が入院すると

毎日のようにお見舞いに来てくれて。

彼が介護をしてくれるうちに盲目にも慣れていって、

なんとなくで誰がどこに居てどこを向いてるのかが分かるようになっていった。


「………分からない。でも、大丈夫だと思うよ。」


『どうして分かるの?』


シン君はいつもより穏やかな声色で私に話す。


「不思議な話かもしれないけどね、

僕の友達が願いを叶えてくれるって言うから、

［僕の親友の目を治して］って頼んだんだよ。」


『………ありが、と』

私が少し咳をすると彼は背中をさすってくれた。


『でもね、シンくん。

私のお願いは違うの。』



「…………………えっ？」



『私、貴方の…………………









こいびとになりたいの。』








私は病院のベッドの横で座るシン君の




ぽかんと空いた口を塞いだ。







「………………………ありがとう。A。


こんな僕で良ければ。」









`








`










`












そう言ったのに、彼は二度とお見舞いに来なくなった。







`






私、目も病気も治ったのに。





ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ




シンさんが来なくなったのはもちろんデスゲームで誘拐されたからです。


ルートによってはシンさんはもう二度と夢主さんと会えないんだよなぁ………


なんか書いてる作者自身が鬱になりました。

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