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食堂に行くともう全員が揃って座っていた。
定位置であるアラシの隣に腰掛ける。
くそぉ…レースがひらひらしててジャマっ！
『おはようAちゃん♪機嫌が悪そうね。良かったらお姉ちゃんに聞かせてちょうだい」
おはよ…と挨拶を返す。
『だって…だって…イズミが朝っぱらからぐちぐちうるさいしさ〜こんなドレスも着せられるし！とにかくウザイんだ！！』
｢俺が何だって？」
背後からものすんごい低い声が聞こえた。
『ひぃっ！！！！イズミ、びっくりさせるな！』
｢はぁ〜？あんたが勝手に驚いてるだけでしょぉ」
イズミに両方のほっぺをつままれる。
『いだだだだ！！はらゃしぇっ！』
アラシはあらあらって言って頬に手当ててて助けてくれそうにないしリツはダメだな。机に突っ伏して寝てるわ。
『つかしゃ〜ひゃすけろ！』
｢何を言ってるのかさっぱりなのですが！？」
そう言いながらも助けてくれたツカサは充分に優しい。
Aちゃん、アラシに名前を呼ばれる。
彼はすごく寂しそうに笑った。
｢泉ちゃんはね、Aちゃんのこと大切なのよ。もし、朝起きて貴方がいなくなっていたらどうする？ただでさえ王様があんな状態でしょ？心配なのよ。もちろんあたしや凛月ちゃん、司ちゃんだってそうよ」
リツを見るといつのまにか起きてて小さく頷いた。
ツカサも見ると微笑んでくれた。
そう。
ここでは空席がひとつだけある。もう何ヶ月は座られてない椅子。否王様の椅子。
急にレオは部屋から出なくなってしまった。
どれだけ声をかけても、食事を持って行ってもドアを開けることは一度もなかった。
ただちゃんと物音は聞こえるしかろうじて生きていることはわかる。
ルカがボソリと呟いた。
｢お兄ちゃんはルカのこと嫌いになっちゃったのかな…」
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作者名：ほたる | 作成日時：2017年11月23日 0時
