強気な王女と6人の仮面王子(WT) (ページ3)

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それからページ3

それから何があったかと言うと＿＿

…うん、もうめんどくさいから最初の説明文読んできて欲しい。

まぁなんやかんやあり婚約について戦いの火蓋を切った私だったけど、その実不安でたまらないのだ。なんならもう男っていう性質を持つ人間が無理とさえ思えてきた。男性と交流する場なんて片手で数える程敷かなかったんだもの、仕方ないとは思うけれど。

『あ"〜っっ、リン〜〜〜！！！！』

扉を大きく開けるなり愛犬(フェンリル)のリンの体にダイブする。大きい彼には微塵も堪えて内容で、背中に乗っている私に鼻を鳴らしながら嬉しそうに頬ずりしようとしてる。
まぁ、届いてないんだけど。

『ねぇリン、私婚約者を選ばなきゃいけないんだって。』

そう顔を顰めながらリンに語りかける。フェンリルは賢いから意思疎通ができるんだって。するとリンはすっくと立ち上がって〈ギャン！〉と一声吠えたあと姿勢を低くして威嚇のポーズをとる。…もしかして、

『追い払おうとしてくれてるの？』

そう言うと威嚇のポーズのままこちらを向いてハッハッと舌を出すリン。あまりに可愛くて、思わずその巨体を抱きしめてしまう。

『ありがとう〜リン！でも、流石にそんなことしたら貴方も罰を与えられちゃう。まぁ、威嚇までは行かずとも、貴方と対面して逃げ腰にならないくらいの男でなくてはね。』

そう言って顎をわしゃわしゃ撫でると、誇らしげに背筋を伸ばすリン。もう、本当に可愛いんだから。

しばらくリンと共に戯れていると、紅茶を用意してくれたフォリーが申し訳なさそうに声をかけてくる。

「姫様、紅茶のご用意が出来ました。……それで、あの、婚約者様方の話なのですが…」

思わずはぁ、と大きくため息を着くと分かりやすく焦り始めるフォリー。流石に可哀想だから、話は聞いてあげよう。

『それで、あの方々がどうなさったって？フォリー』

「実はですね、明日から1人数日間、それぞれの国の王子と交流を持って頂きたく思っておりまして…それが終わりましたら、各々の王子たちと自由に交流を図ってもらう期間があって、その中で姫様には婚約者を決めていただきたいと…」

どうせお父様でしょう。そんな馬鹿げたイベントを組むのは
という言葉はすんでのところで飲み込み、またため息を着くと、リンが心配そうに鳴きながら頬をぺろぺろ舐めてくる。

「早速ですが、明日からシエル王国のnakamu王子との交流が始まります。ご準備を。」

…はぁ。お面相手に何話せば良いってのよ。