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黄side
「 よいしょ、、ほれ、 」
学校からほど近いとある河川敷。階段の途中で座る僕の隣に腰を下ろしたさとみさんは、肉まんを半分こにして僕に差し出した
「 朝メシ。食べた? 」
「 …いぇ、食欲なくて 」
「 じゃあ全部やる。 」
そう言って自分が持っていたもう半分の肉まんも僕にくれた
「 …いただきます 」
大きくひとくち肉まんを頬張る
「 うまい? 」
「 ……はい、 」
また溢れそうになる涙を肉まんと一緒に飲み込む
「 、殴られたりは良くするの? 」
「 …はい 」
「 今度見つけたら俺が殴り返してやるよ 」
「 ………あんまり、大事には、、 」
「 大丈夫、こっそりやるよw 」
そんな笑顔は、先程の爽やかさを保ったままだけどどこか狂気じみてて少し怖い
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しばらく2人でぼーっとした
空を眺めて雲の流れを見つめたり、ひらひらと舞い散る桜の花びらを目で追う
「 …逃げないで学校に通い続けるお前は偉いよ 」
急に口を開いたさとみさんの方を向けば、彼は空を見上げていた
「 俺、昔いじめられてたことあってさ。学校行かなくなったんだ。俺は逃げた側の人間だから、るぅとはすごい偉いと思う。強いと思う 」
パッと僕に向けられたその彼の真っ直ぐな表情
「 怖いとか、誰も助けてくれないとか、自分は一人ぼっちだとか。全部全部思い込みだよ。るぅとはひとりじゃない。だって今はもう俺がいる 」
肩に手を回しぐっと引き寄せられる
「 …、ありがとう、ございます… 」
「 ふっ、もしかして泣き虫?w 」
「 、泣いてない… 」
「 ふっ、花粉症だよな? 」
「 うん、、 」
ひとりじゃないって分かれば、心が軽くなった
傷だらけのこの体も少しだけ痛くなくなった
「 また何かされたら、こうやってここで肉まん半分こして笑ってやろうぜ。
あんなことしか出来ないアイツらは可哀想だなって 」
「 、うん 」
本日何度目かも分からない涙を拭って、前を向く
「 ありがとうさとみくん 」
彼をまっすぐと見つめ感謝を伝えれば、嬉しそうな彼は頬を赤めて微笑んでいた
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ひとり−fin.
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らふのすけ(プロフ) - たきこみごはんさん» リクエストありがとうございました🙌🏻今後ともよろしくお願いします🕊 (5月2日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - ぽさん» リクエストありがとうございます( ᵕᴗᵕ )多少お待たせしてしまうかと思いますが、気長にお待ちいただければと思います🙇♀️🙏 (5月2日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
たきこみごはん(プロフ) - リクエストありがとうございます!。最高でした!らふのすけ様のお話大好きです! (4月30日 11時) (レス) @page47 id: 02876b26ba (このIDを非表示/違反報告)
ぽ(プロフ) - いつも小説を楽しく拝見しています!リクエストをさせて頂きたいです、黄くんのだいぶ長引いている夏風邪を全メンバーで看病して頂きたいです!その他細かい設定はお任せさせて頂きたいです。お願いします! (4月29日 23時) (レス) id: 46eeb8c8aa (このIDを非表示/違反報告)
たきこみごはん(プロフ) - アンケートやっておきました (4月16日 7時) (レス) @page35 id: 02876b26ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2024年3月10日 2時