Symphony12【病系】【短編集】

159_ひとり［黄×桃］* ページ39

リクエストありがとうございました¨̮⃝
▶︎いじめ
━━━━━━━━━━━━━━━

黄side









「 食欲ないの？ 」

「 …ん、？いゃそんなことないよ、美味しい 」



朝から進まない箸

お腹は空いてないし、今すぐ身にまとっている制服を脱いでベッドで寝ていたいと思うほど、体は重たい





学校に行きたくない

助けて欲しい


そんな言葉を今日も打ち明けられず、傷だらけの心を必死に取り繕って家を出た






.






「 よっ！ 」


学校近くの信号を待っていると、肩を後ろから走ってきた誰かに叩かれそのまま肩を組まれる



「 るぅとさん！おはような！ 」


そう言って、肩を組み離さまいと力を込めるその人はいつも僕にお金をせびってくる人

無視したって逃げたって追ってきて、拳を食らう羽目になるから最近はもう何も背かないようにしている





うちの高校はアルバイト禁止だけど、隠れて僕がアルバイトしていることがこの人たちにバレて、いつもお金をせびられるようになった


弱みを握られてしまって学校側に相談することも出来ず、家族にも心配をかけたくなくて家に篭もるわけにもいかない

そんな負のループから抜け出せずにいる







「 今日はいくらくれるのー？ 」


校門をくぐり、教室に向かうより前に校舎裏に連れてかれバッグを取られ中の財布を探られる




「 あれ、これしか入ってないじゃん。下ろしとけって言ったよね？ 」

「 ……、 」


僕の財布に入っていた泣け無しの1000円札1枚を手に持ち、その札で僕の頬をぺちぺちと叩く




「 こたえろよ。な？無視ですか？聞こえてないんですかねー？ 」

「 …ごめん、、なさい、 」

「 いやいや謝るなんて、いらんから、っ！ 」


ボコっボコっと腹を殴られる

よろけたり倒れたりしたら、そのまま蹴られて


今日は朝からこんなザマ







「 放課後下ろしてこいよ 」


結局その1000円も取られてしまって、そいつは教室へと向かっていった





もうすぐチャイムが鳴る


僕は朝からこんなことが起きる度に遅刻しているから、クラスでは遅刻魔みたいに思われている

気がついている人はいるはずなのに誰も助けてくれない

もちろん担任もだ





痛すぎるお腹を抱えふらふらの足取りでなんとか校舎へと向かう


「 …うわっ、、、痛った、 」

「 うぉ、ごめん！大丈夫？ 」




曲がり角を曲がった瞬間、走ってきた誰かとぶつかって尻もちを着いた







.

.→←感謝です

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す