Symphony12【病系】【短編集】

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橙side








バーベキューの準備中はカメラを回す予定は特にないから、さとちゃんは一旦休ませておいて、俺は信号機組を集めてこっそり事情を説明した


さとちゃんには、心配かけるから隠しててと言われたけどこのロケにさとちゃんを出演させるにはみんなで協力する必要があると思ったから






「 、やっぱり無理してたのかな 」

「 体調治りかけとかだったなら、バスの時点で少し酔ってたのかもしれないですね 」

「 俺たちでちゃんとサポートしてあげよう 」


頼もしい3人を味方につけて、ふらふらカメラの前に立つさとちゃんを支えつつ撮影が始まった

特に台本とかもなく、ただみんなで楽しく水上バーベキューをしよう！って企画だったからみんなそれぞれ気を使いつつうまくやった


さとちゃんは立っていた方が酔わないから。と焼きに徹していたけど結局何度か船の後ろの方で戻しちゃってたし、ご飯も全然食べれてなくて、心配が募っていくばかりだ





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「 さとちゃん。どう？調子は 」

「 ……、さいあくだよ、w 」


真っ白な顔に辛そうな表情を付けて座っているさとちゃん



「 ちゃんとお水飲んでる？脱水怖いから 」

「 …だぁいじょぶ、、 」

「 …そう 」





「 ジェルくんー？！ 」


「 、ぁ 」

「 行けよ。呼ばれてる、、 」

「 さとちゃんのお肉、残ってるから 」

「 ……あとでいく、 」



心配だけど近くにスタッフさんも着いてくれてたし、まだカメラは回っているから。と、俺は呼ばれた方へ戻った


なんとか締めまで撮影を終え、あとは港へ戻るだけ

両脇からスタッフさん2人に支えられる形で内部まで戻ってきたさとちゃんを、ソファーに横にならせる




「 さとちゃん。もうカメラ止まった。頑張りすぎやで自分 」

「 …おれ、なんもしてない。ただ吐いてただけ… 」

「 今も気分悪い？ 」

「 ……ずっと、揺れてる……、あたまいたぃ 」

「 着いたら起こすから寝てて 」

「 、ぅん…… 」


腕を目の上に乗せて、ぐったりしているさとみくん

やっぱり今日はずっと顔色が悪い











「 、さとちゃん、着いたで。降りよ 」


少し船を走らせれば、あっという間に港へ着いた



「 ……ん、、 」

「 おきれる？おぶってこか？ 」

「 …、、ぃや……っ、、 」

「 うわっ、さとちゃん、！ 」


急に立ち上がろうとしたからなのかふらっと倒れたさとちゃんをなんとかキャッチする

そのままおんぶしてロケバスまで戻った









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