Symphony12【病系】【短編集】

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黄side








「 莉犬帰ろ〜 」


修学旅行が終わって学校に戻ってきた

学校まで迎えに来ている保護者も多いが、2人のお兄ちゃん達の姿は無く、まぁお仕事とか忙しいし仕方ないか。と莉犬と2人で帰った






「 お土産渡すの楽しみだね 」

「 うん！ 」


お土産はいらないよ。とさと兄に言われていたけど、せっかく修学旅行に行くんだしなんか買って帰りたくて、莉犬と2人で貯めたお小遣いを叩いてご当地のお菓子と4つセットのお揃いのキーホルダーを買った

もちろんお兄達には内緒だから、渡すのが楽しみで少しドキドキする




「 喜んでくれるといいね 」

「 うん。きっと喜んでくれるよ 」


たった3日ぶりなのにすごく久しぶりに思える通学路を歩いて、到着した我が家

リビングには電気が付いていて、誰かいるんだなと分かり「ただいまー！」と2人元気よく声を張り上げ家へと入った





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「 ぁおかえり。莉犬くんるぅとくん 」

「「 ただいま！ころ兄！ 」」


僕らの声を聞いて玄関に出てきてくれたのは、ころにぃ

エプロンを着けてお夕飯を作ってくれているのが分かった




「 楽しかった？ 」

「「 うん！ 」」

「 良かった！バス疲れたでしょ。お風呂湧いてるから入っちゃな 」

「 ぅん、さとにぃはいる？ 」

「 、ぁぁ…部屋にいると思うよ 」


莉犬とふたりで階段をかけ登って、さとにぃの部屋の前。お仕事中かもしれないから、とノックをしてドアを開けた




「 さとにぃ、、？ 」

「 ぁ、寝てる 」


さとにぃは机に突っ伏して眠っていた

そんな彼にゆっくりと近づいて、ほっぺを突っついてみる



「 ……ン、ぁ、？ 」

「 さとにぃただいま 」

「 ただいま！ 」


「 …ぉ、りぃぬ、るぅとぉ……おかえりぃ 」


そう言って寝惚けたまま僕と莉犬を両手いっぱいに抱きしめる





「 ……ンくるしぃ、 」

「 、、おかえり。楽しかった？ 」

「 うん、すごく 」

「 そっかぁ。良かったぁ……！ 」


ぎゅーーっと強く抱き締められて、さとにぃの匂いとかその温かさとかになんだかすごく安心した




「 もうすぐご飯出来そうだから、下行こ 」


莉犬がさとにぃの手を引っ張るように言う

そうだ。みんなでご飯を食べている時にお土産を渡す作戦だった





「 ぁごめん。おれもう食べたんだよね。腹いっぱいだから3人で食べてきて 」


その発言に言葉を失った

だってご飯はみんなで食べようって4人の約束だもん







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