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水side
「 だいぶ落ち着いた? 」
タクシーの中、ホットレモネードを両手で握りながらちょこんと座り隣で揺られる彼を見て聞く
「 ぅん…。今日、ダメだった 」
「 ダメじゃないよ 」
「 、迷惑かけてごめんね 」
「 何言ってんのw 迷惑じゃないよ 」
上手くいかなかった事が相当悔しいんだろう。潤んだ瞳は煌めくネオン街を映していた
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「 ほらあがって 」
「 ぇいや、いいよ… 」
「 いいから。ほら、 」
到着した僕の家、玄関に立つ莉犬くんの手を引っ張って上がらせる
「 お邪魔します… 」
「 荷物適当に置いちゃって。手洗ってね 」
いつも僕の家の近くまで来たら、家上げてとかご飯作ってよとかグイグイなくせして今日は凄く控えめ
まぁ疲れちゃってるってのもあるんだろうけど
莉犬くんが手を洗いに行っている隙に、僕はエプロンを付けてキッチンにたつ
きっと昨日からなんにも食べてないとか言うから、先を見越して莉犬くんの夜ご飯を作ってあげるのである
僕は意外と気が利く男だからね
「 ぇ、ころちゃん料理するの? 」
「 うん。最近ねハマってるんだ。レシピ通り作れば簡単だよ 」
最近って言ってもここ3日位の話で、ちょうど冷蔵庫にもそれなりに食材はあるから良かった
「 これにしよう 」
作るものを決めたらその通りに切って炒めて…ってするだけ
B型の人は調味料とか適当でしょとか思われがちだけど、意外と僕はちゃんと匙を使って書かれているとおりにきっちりやりたい派
莉犬くんは同じB型だけど違う気がする
「 、よしっできた 」
「 いい匂いする 」
テーブルに作った料理を持っていく
「 お粥? 」
「 そう。喉にいいお粥だよ 」
「 ……ありがとうころちゃん、 」
「 どーぞ、食べてみて 」
「 いただきます 」
お粥をスプーンで掬って、ゆっくり口に運ぶ
いくらか咀嚼して、それで顔を上げた莉犬くんは満面の笑みで「美味しい」と言ってくれた
「 優しくて、あったかい 」
「 良かった 」
「 …ちょっと味薄いけど、w 」
「 え?……薄いかもw
あれぇレシピ通りやったんだけどな 」
「 けどすっごく美味しいよ。これが一番美味しい
レシピ通りだからじゃなくて、ころちゃんが作ってくれたから 」
その笑顔を見るためだったら、また何時でも僕が作ってあげるよ
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レシピ通りの味とはならないけど−fin.
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らふのすけ(プロフ) - たきこみごはんさん» リクエストありがとうございました🙌🏻今後ともよろしくお願いします🕊 (5月2日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - ぽさん» リクエストありがとうございます( ᵕᴗᵕ )多少お待たせしてしまうかと思いますが、気長にお待ちいただければと思います🙇♀️🙏 (5月2日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
たきこみごはん(プロフ) - リクエストありがとうございます!。最高でした!らふのすけ様のお話大好きです! (4月30日 11時) (レス) @page47 id: 02876b26ba (このIDを非表示/違反報告)
ぽ(プロフ) - いつも小説を楽しく拝見しています!リクエストをさせて頂きたいです、黄くんのだいぶ長引いている夏風邪を全メンバーで看病して頂きたいです!その他細かい設定はお任せさせて頂きたいです。お願いします! (4月29日 23時) (レス) id: 46eeb8c8aa (このIDを非表示/違反報告)
たきこみごはん(プロフ) - アンケートやっておきました (4月16日 7時) (レス) @page35 id: 02876b26ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2024年3月10日 2時