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赤side
「 ふぅ〜、あ〜あーー、あ゛、んん゙ッ… 」
マイクの前に立って、発声をするけどやっぱり上手くはいかず
けどやらなきゃいけないんだ。と覚悟を決めてセリフを読む
「 んー、もう1回いけますか? 」
「 はい 」
「 もうちょっと、可愛げのある感じで 」
「 はい 」
「 なんかもう少しハリが欲しいですね 」
「 はい 」
あっちもプロだ。みんなゲームアプリが成功するように全力でやっている
なかなかOKが出ないのも、音響監督さんのこだわりを捨てないために大事なこと
だけど喉の痛みは増す一方だし、どんどん声が枯れてきて上手く出来なくなっていって
悔しさと、時間を取らせてる申し訳なさで胸がいっぱいになってきた
「 …はい。……ごめんなさい 」
「 少し休憩しますか?喉休めて 」
「 、、はい、 」
結局、最後まで撮りきれないまま1度ブースをでてころちゃんのいる部屋に戻る
「 大丈夫?僕は全然いいと思ったけどな 」
ずっと聞いててくれたころちゃんは、俺の隣に座って慰めてくれた
「 …ころちゃん、 」
悔しくて、溢れてきそうになるものを飲み込んで、膝の上で拳を握って堪える
このまま俺のせいでこの挑戦がお蔵入りしたらどうしよう
みんな上手くできてるのに、俺だけクオリティの低いものを提供するのは嫌だ
喉が悪化したまま、明日も放送があるのにこのままだとりすなーさんに心配かけちゃう
沢山の思いが交錯して、手がぷるぷると震えていく
「 莉犬くん。大丈夫だよ。
莉犬くんすっごく上手いし、やり直す度に良くなってるよ 」
「 …ころちゃん、、 」
「 僕ここでちゃんと応援してるから 」
「 ぅん。ありがとう、 」
ころちゃんの真っ直ぐな言葉を聞けば、胸のモヤモヤが少しだけ晴れた気がする
「 あとね、さっき買ってきたんだ。これ飲んで 」
そう言って、俺の前に差し出してくれたのはホットレモネード
「 ありがとう 」
「 喉、もし痛いなら無理しないでね 」
「 …ぅん。大丈夫 」
優しい優しいころちゃんに元気を分けてもらって、もう1回俺はマイクの前に立った
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らふのすけ(プロフ) - たきこみごはんさん» リクエストありがとうございました🙌🏻今後ともよろしくお願いします🕊 (5月2日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - ぽさん» リクエストありがとうございます( ᵕᴗᵕ )多少お待たせしてしまうかと思いますが、気長にお待ちいただければと思います🙇♀️🙏 (5月2日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
たきこみごはん(プロフ) - リクエストありがとうございます!。最高でした!らふのすけ様のお話大好きです! (4月30日 11時) (レス) @page47 id: 02876b26ba (このIDを非表示/違反報告)
ぽ(プロフ) - いつも小説を楽しく拝見しています!リクエストをさせて頂きたいです、黄くんのだいぶ長引いている夏風邪を全メンバーで看病して頂きたいです!その他細かい設定はお任せさせて頂きたいです。お願いします! (4月29日 23時) (レス) id: 46eeb8c8aa (このIDを非表示/違反報告)
たきこみごはん(プロフ) - アンケートやっておきました (4月16日 7時) (レス) @page35 id: 02876b26ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2024年3月10日 2時