Symphony12【病系】【短編集】

149_桜並木を抜けてep.1［黄×赤］* ページ2

リクエストありがとうございました．遅くなりすみません( ; ; )
▶︎嘔吐

新しくシリーズもの始めます🌸
とある高校に通う生徒たちのお話。学パロです🏫
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黄side








目覚まし時計が部屋に鳴り響く

それを止めて、起き上がればぐにゃっとひん曲がった視界




「 …ン、、っと 」


最悪な目覚めだ

胸はムカムカするし、恐らく顔色だって悪いんだろう


けれど今日は学校

壁にかかった綺麗な制服を着て僕は学校にいかなきゃいけないんだ






中学の頃、僕はあまり学校に通えなかった

だから高校こそは。と自分に合った家から少し遠い通信制の高校を選び、ついこの前ようやく入学した


学校は色々な人がいて、意外と楽しい

それに、通信制だからレポートやテストさえやっていれば学校に行っても行かなくても怒られない。

そんな環境が多分僕には合っていた





「 いってきます… 」


体のだるさや胃のムカムカも全部棚に上げて靴を履き家を出た

重い足取りの中駅について、通勤ラッシュの時間とはずらしているもののまだ人の多い電車のホームで待つ



電車の大きな音や、沢山の人混みは苦手

だからヘッドホンをつけて大好きな音楽を聴いて、心を紛らわせる


今日もそうしてヘッドホンをつけ、来た電車に乗り込んだ




1駅、2駅と通り過ぎ、最寄り駅から3駅目まで行ったところで「酔ったかも」と脳裏に嫌な予感が過ぎる

ちょうど良く空いた席に座れたものの、ガタガタと揺れる電車、車内の暑苦しい匂いが凄く気になって、その揺れと匂いを感じる度に吐き気と悪寒がした



あと3駅。それだけ我慢すれば…

と思いつつ、耐えるように自分を抱くようにして屈んでギュッと目を瞑る





((トントン

「 ……ｯ、 」


と、誰かに肩を叩かれた驚きで思わず飛び跳ねた




「 ……、！ 」


目を開けると、前に立っている青年

ヘッドホンをしているから声は聞こえないけど、僕に話しかけているようで、ヘッドホンを取る



「 …丈夫？、顔色すごく悪いよ 」

「 ……、ｯだいじょ、ぶ…です、、 」


声を出せばすぐにでも戻してしまいそうで、それだけ答えてまた俯く






「 次の駅で降りよう。俺も着いてくから 」


その言葉に返すことも出来ず、到着した駅

その青年に抱えられるように立ち上がりそのまま駅のトイレへと入った







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