Symphony8【病系】【短編集】

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水side









こんなにも病気と向き合う日が続けば、

何となくわかるようになってきた



自分の体調が良いとか悪いとか

退院がゴールだとしたら多分僕は今逆走しているなとか。




頭が痛くてぼーっとする


くらくらとか、ふわふわとか、そんな感じ






「 ころん？お昼ご飯来たけど食べれる？ 」

「 …、ん……ｯﾊｧ、がんばる、 」

「 うん。頑張れ。リクライニング起こすよ 」


ベッドの上で眠れる訳でもないのに頭痛に耐えながら目を瞑っていると優しい声がする

目をゆっくりあげると、眩しさでギュッと頭が締め付けられるような痛みがした




「 きつい？ 」

「 …ﾝ、ちょっと……、 」

「 無理すんな 」


食べる気にもならないご飯を目の前に「いただきます」と一応手を合わせる

お味噌汁を一口飲んで、正直もういらないな…とふぅとため息をつく




「 ころちゃん、？ 」

「 もぅいらない僕… 」

「 バナナくらいは食べれるんじゃないですか？ 」

「 俺のあげようか？ 」

「 ぃや、w いらないよ、これも大きいのに… 」


食べやすいように半分ほど切られたバナナでさえ食べれる気がしない

もう自分でなんでこんなに喉を通らないんだろう



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「 、っ…… 」


食べようと持った箸

手が震え力が入んなくなって、がちゃがちゃと音を立て床に落ちた




「 …、？ん？ころん？ 」

「 …ｯ、はっはぁ、……、ﾝ、 」


全身がガタガタと震え始めて、息が苦しくなって、自分の体の制御が全く聞かない

僕に付けられている機械がピーピーと鳴っている

3人の焦りつつ僕の名前を呼ぶ声が聞こえる


けれど、何も反応できない

苦しい呼吸と、震えるからだへの恐怖に包まれる








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「 、…ころん、今お薬入れるからな、！ 」


何も音が聞こえなくなってきてから、微かに聞こえたその声を最後に僕の記憶は途絶えた






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