Symphony8【病系】【短編集】

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桃side









ふざけんな

ふざけんじゃねーよ


何がウソ禁止だ



ジェルから全てを聞いた俺たちは莉犬の元へと向う







“余命3ヶ月”

“治療法はもう移植しかなくて、その番が回ってくるかは運でしかない”


これこそが嘘であって欲しいと願っている





「 眠ってても、声は聞こえるって前ジェルが言ってた
俺は莉犬に説教してあいつ起こす 」

「 何言ってるのさとみくん 」

「 そのままだよ、俺らの掟破ったんだぞ 」


俺は気を抜いたら溢れそうな涙を必死な堪えながら、自分の不甲斐なさに押し潰されそうになっていた






「 …莉犬くんだって言えなかったんだよ、
だって言ったら…本当にそうなっちゃいそうじゃん 」

「 ……それに、僕らも莉犬に今まで通り接すること出来ないと思います 」

「 そんなこと、、！なぃだろ… 」



心当たりはいくつもあった

見て見ぬふりしてたのは、今2人が言った通りだ



怖いから。


当たり前だと思ってた景色がそうではなかったと気がつくのが

死という恐怖を目の当たりにし、自分の死について考えてしまう深い闇の夜が訪れるのが





俺は、俺を守るために敢えて数々のサインを見逃していたんだ







「 …ちっちぇよ俺なんて。 」


莉犬のいる場所に着いた

莉犬に触れることは出来ないけど、精一杯声を届けたいとは思う





「 俺は、お前が居なきゃ無理だからな莉犬 」


弟と言うよりかは、近所に住んでて昔から一緒に遊んでる生意気なガキぐらいな感じ

居心地が良くて、莉犬の気遣いや優しさや大きな心に癒されて



「 …あの花火の日言った言葉。俺本気だからな 」


未来も俺はずっとみんなと居たい






「 …莉犬、未来の話たくさんしよう。沢山して、沢山叶えていこう 」


るぅとが喉を震わせながら伝える



「 今じゃなくても…いつでも行こう。ね？僕達と4人で綺麗なお月様見に行こう 」


ころんは涙でぐちゃぐちゃな顔してる







「 ……莉犬、起きてくれ 」


ジェルが俺ら3人を後ろからぎゅっと抱きしめて、小さな声で願うように言った




「 、…医者が神頼みかよw 」

「 ちゃうわ、莉犬に頼んどるんだわ…！ 」


微弱に動く莉犬の心電図






ドラマとかならここで莉犬が目覚めて、めでたしって終わるんだろうけど

現実はそうはいかないみたいで



これはノンフィクション





俺らはまだまだちっぽけで

だからこそ、戦い続けるんだ







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ちっぽけep.5-2−fin.



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