Symphony8【病系】【短編集】

. ページ38

.

桃side








俺は爆弾を抱えて生まれてきた


いつ爆発するかも分からないその爆弾を爆発させないために、生まれてすぐに手術を行ったりもう何度も体に傷をつけてきた



胸にくっきりと残る大きな傷が勲章とかいう人も中に入るが、俺にはそうは思えない






入院だって、子供の頃はたった熱を出すだけでしてたくらい良くあることで

俺はみんなとは違う生き方で何とか今まで生きてきている





.





「 やぁやぁさとみさん 」

「 お前らw 暇かよ 」

「 なぁに〜？そんなこと言って嬉しいくせに 」



最近体が言う事を聞かなくなっていて

薬で騙しながらやっていたのに、メンバーの前での発作。運ばれた病院でそのまま入院

あれよあれよと俺はこのベッドの上に縛られていた



旅行かな？って程度の2泊ほどの入院は何度かあったけどここまでの長期入院は久しぶり

多分すとぷりになってからはほぼ初めてみたいな感じで。


俺は小さい頃から慣れっ子だから大丈夫なんだけど、メンバーが凄く気を使ってくれているのがわかってそれがほんの少しだけ胸に突っかかるんだ




特にるぅとは、俺が発作を起こした時にそばに居てくれたから凄く俺の様子を伺っている感じがする


俺の命を紡いでくれたのは確実にそのるぅと。

意識がどんどん遠のいていく中でも、彼の暖かい手と今にも泣き出しそうなか細い声でもかけ続けてくれる一言

絶対に俺がるぅとを泣かせたくない。とただその一心で何とか意識を保った




.




「 るぅとごめんな、怖かったよな 」

「 ……怖かった 」


るぅとが1人でお見舞いに来てくれた日、俺が謝ると小さな声で彼はそう素直に答える



「 、けど…心臓動いてたから… 」


昔から俺はこの苦しいのは何百回と経験してきているけど、るぅとは見るのが初めてなんだよな

そりゃあ絶対怖いのに、一切逃げないでそばに居てくれた



彼の震える手を取って俺の左胸に当てる



「 どう？心臓動いてる？ 」

「 ぅん…ドクドク聞こえる 」

「 るぅとが守ってくれたからだよ 」

「 ……これからもちゃんと守るね 」


俺はこの病気と生涯向き合わないといけないけど、きっとこいつらがいれば大丈夫

そんな気がするんだ





.


君の鼓動を手放したくないと思う−fin.


.
リクエストありがとうございました🙇✨(文字数の関係で最後に失礼します)
いつか続編書くかもしれないです💭

107_仲良しこよしのなにが悪い【all×紫】*→←106_君の鼓動を手放したくないと思う【桃×黄】*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す