Symphony8【病系】【短編集】

. ページ4

.

桃side









トークコーナーのリハーサル途中くらいから、目の前に靄がかかったみたいに狭くなってどっと倦怠感が押し寄せてきていた

それに今まで無かった頭痛や目眩まで加わってきて


まじでやばいかも、と気持ちも焦ってきて頭の中はごちゃごちゃ



いつもなら、全然隠し通せるレベルのものなのに

いつもとは違う環境と心境で、ちょっと自信をなくしてる俺。頑張れよ






なんとかトークコーナーのリハーサルは終わり、次のリハーサルに向け少しの休憩時間

バッグに薬入ってるかもしれない。と、一人スタジオを抜け出し楽屋に戻る


慣れない建物に、長すぎる廊下。楽屋にたどり着くのも精一杯で、ようやくたどり着いた楽屋。ソファーに座りただ虚無の時間が一瞬あった

頭が全く動かない。ただ無な時間。





「 っ、はっ… 」


目の前の鏡に映る自分の顔を見つけ現実に戻る

ひっでぇ顔色してるな俺。


バッグの中を漁れば、あと1錠残った薬を見つけそれだけ握りしめてスタジオに戻った



.



良かった。まだリハーサルは再開していないみたいだ。


メンバーの視界に入りずらいところで薬を流し込み、深呼吸する

しっかり さとみ のスイッチを入れメンバーの元へ戻った







のに、「 ねぇさとみくん、もしかして体調悪い？ 」

ころんのこの一言で籠の中に必死に閉じ込めてた悪者が解き放たれた音がした


俺らの会話に気づいて莉犬るぅとも、俺を観察するように眺める




「 確かに、顔色悪いねさとみくん 」

「 お弁当も全然食べてなかったですしね 」


3人からの心配の目が嫌だ

俺は行けるのに。これくらいなら頑張れるのに。




「 、熱とかあるんですか？ 」

「 ……、ぃやw 」

「 さっき薬飲んでたよね？最近さとみくん凄い忙しいし、体調崩してるんじゃないの？ 」

「 そうなの？大丈夫？一旦座る？ 」

「 、大丈夫だわw お前ら心配しすぎ 」


もういいって。これ以上心配しなくていいから

俺は行けるし、大丈夫だし、まだ頑張れるから





「 いゃ、でも… 」

「 やっぱ顔色悪いよさとちゃん、、 」

「 スタッフさんに言ってこようか？ 」


うるさい。お節介は要らない

せっかく貰えたチャンス。もしこれで先送りなんてされたら？俺のせいでこのチャンス潰すなんて有り得ねーから






「 …っ、もううるせーな！俺のことは俺がわかってるから。お前らは心配すんな黙ってろ 」



＿＿＿俺のせいで、グループの雰囲気が最悪になった






.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す