Symphony8【病系】【短編集】

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水side









ひとりひとりメイクを終え、午後から始まる通しリハーサルに備える

この間しかご飯を食べる時間が無いから、普段食べないような豪華なお弁当を選んでみんなで食べる




「 あれ、さとみくんもう要らないの？ 」

「 ぅん、、腹減ってない 」


全然箸進んでないなと思ってたら、半分も食べずに閉じられた蓋

せっかく用意して貰ったのに勿体ない


さとみくんに頂いた食べ物を残すイメージなんて一切無かったから少し驚いた





「 、なんか…どうしたの？w 体調でも悪いの？w 」


ただその光景が珍しかったから。という理由だけで軽くイジるぐらいのつもりで聞いてみる



「 いや、っw 普通に腹減ってないだけだよ 」


なんか少し図星っぽいそのらしくない答え方に少し違和感を覚えたものの、特に深入りはしなかった





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リハーサルが始まり、その少しの違和感がだんだん確信へ変わっていく






トークコーナーのリハーサルや、バーチャルの確認を行って、次ライブコーナーのリハーサル準備を待っているときだった



みんなスタジオでセット転換とかを眺めながら待っているのにさとみくんだけそそくさとどこかへ行ってしまってしばらくして戻ってきた

その時になんか顔色悪くない？って気がついて。

自然とさとみくんを目で追っていた






端の少し薄暗いところで壁の方を向き、手に持っていたなにか小さい物を水で流し込む

きっとあの感じは何かの薬とかだろう


さとみくん、もしかして本当に体調悪いのかな？



大きく深呼吸をしたさとみくんは、振り返り僕らの元に戻ってきた







「 、どこ行ってたの？ 」


一部始終見てたけど、わざとらしく聞いてみる




「 楽屋 」

「 何しに？ 」

「 なんだよw 別にいいだろw 」


その時の少し上がった口角に、なんでか僕はピンと来た

さとみくん無理してるなって。


なんで分かったんだろう

長年一緒にいるから、勘ってやつかな








「 ねぇさとみくん、もしかして体調悪い？ 」


るぅと莉犬が楽しそうに談笑してる隣で僕とさとみくんの間の空気が一瞬固まる



「 、っは？w いや大丈夫だけど？ 」

「 ……、ほんとに？ 」

「 ほんとだわ、w 」


笑って、何かと勢いで誤魔化そうとするところあるよね


じゃあその一瞬緩んだ口元や、まっすぐ立ってるのが辛いかのようにふらふらと変える重心はなんなの？

体から溢れてしまうSOSに僕は気がついてるよ





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