Symphony8【病系】【短編集】

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赤side










さとみくんの手を引いて、横断歩道の前まで連れてくる

「しゃあねーな」と照れくさそうに言った彼は、俺に背中を向けてその横断歩道の白帯の上を大股で歩いていった






「 ふふ、かわいい 」


小学校の帰り道とかに白線の上しか歩いちゃダメみたいなゲームをやった事がある

その時眺めていたランドセルを背負う友達の背中とリンクした





「 ほら、渡ったぞー 」

「 、何お願いしたのー？ 」

「 教えねーよ、w 」


道路を渡りきり、俺を手招きする

はやくこいと言わんばかりに彼の後ろには懐かしのあのお店が。






「 俺もお願いしようかな 」


なんて呟いて、白線に大きく1歩踏み出す









＿＿＿あれ、やばい、



なんでだろう


本当に突然、なんの前触れもなく頭がぐわんと揺れた






「 ………ｯ、 」


さとみくんの所に早く行きたいのに、その白帯の上から動けない






「 、っりいぬ！！ 」

「 …ぇ、？ 」




突然さとみくんの叫び声が聞こえたと思えば、俺の体は大きな衝撃がかかったと共に空に舞い上がった










ばちんっと硬い床に落とされる


余計に頭がかーんっと揺れて、全身に痛みが走った





「 りいぬ！おぃ！りいぬ、！！ 」



何が起こったのか全く分からない


ただ焦った様子のさとみくんの声が聞こえるだけ









「 さとみ、くん…w どうした、の？ 」

「 は…？どうしたの？って、、お前…。すぐ救急車呼ぶからな、！ 」

「 、、？ 」



救急車？

俺は別に大丈夫なのに、なんでそんなに焦ってるの？







心臓がバクバクと動いているのがわかる


だんだんと意識が遠のいていく





「 ぉい！莉犬！寝るな！ 」



頬に雨が1粒落ちてきた


ぃや、、さとみくんの涙だ




何泣いてんのさとみくん


夢が叶うまで泣かないって決めたじゃん








「 泣かないでよ、…さとちゃん、ｯﾊ 」





彼の頬を指で拭って


＿＿＿＿それからの記憶は無い







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