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橙side
ころんが急変したと聞き、慌てて病室に向かう
走って息を切らしながら、入った病室
久しぶりの大きい発作に、ころんは勿論3人もだいぶ驚いている様子だった
「 、ころん運ぶな。3人頼んでいい? 」
今最優先すべきはころんやから、3人は看護師さんに任せてコロンをベッドごと処置室へ運ぶ
薬を入れて、様子を見る
あまり良くならない数値にだんだん弱くなっていく呼吸
「 …がんばれ、 」
何とか処置を終え、一旦ICUにころんを運ぶ
まだ何があるか分からへんし呼吸器もつけてるから外れるまでは病室へは戻せない
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「 ……はぁ、なんか色々思い出しちゃったな 」
気がついたら陽が沈んでいて缶コーヒーを飲みながら一息つく
そこそこ田舎のこの病院。見える星空はいつでも俺たちの心を落ち着かせてくれるんだ
「 …、お星様になるんだよ、、、元気にしてるかな 」
俺がまだ研修医だった頃、よく面倒を見ていた患者さんがいた
小学校6年生でころんと同じ病気を持っていて、すごく知的な話し方をする将棋か物凄く強い子だった
俺が出会った頃はもう末期で、彼の家族は彼とどういう最期を迎えたいかを考えているくらいで。
彼にそんなこと一言も言っていないのに、彼は自分の家族の様子からか、全てを察したように突然聞いてきたことがあった
「 死んだらどこに行くの? 」「 このちっぽけな箱からは飛び出せるの? 」って
いつも大人びていた彼だけど、その時だけは弱冠12歳の少年で
「 お星様になるんだよ。この病室から飛び出して、世界中どこでも見渡せるお星様になるんだ 」
そう答えると、「 それはすごくいいね 」と彼は笑って。なのに、瞳から涙が流れ落ちた。
今よりもっとちっぽけだった俺は、彼の治療に何も口出しできるはずもなく、ただ弱っていく彼を見守るだけ
情けなくて、何度も悔しくて泣いたっけ
彼が星になった日。俺は本当に何もしてやれなかった。
母親に大きくなったねって抱き抱えられながら腕の中で息を引き取った彼に、その愛に。涙に。
「 、よしっ……、頑張ろう。なーくん、見守っててな 」
1番輝いている星に向かって呟く
ころんはまだそっちには行かせないからな絶対に。
あんなちっぽけな俺だって、少しは大きくなったとこ見ておいてよ
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らふのすけ(プロフ) - りらさん» 初コメとても嬉しいです︎🐣素敵なお言葉とても染みますありがとうございます( ; ; )これからもよろしくお願いします頑張ります💪🏻 (10月12日 20時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - yuka_ayatonさん» リクエストありがとうございました^^紫さん書いて無さすぎてド下手ですみませんでしたw またリクエスト募集し始めましたら是非よろしくお願いします☺️ (10月12日 20時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - 音湖(ねこ)さん» お読み頂きありがとうございました🌷見返しずらいでしょうにわざわざ感謝です^^; 次のシリーズも近いうちに出ますのでぜひご覧下さい!これからもよろしくお願いします🥰 (10月12日 20時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
りら - 初コメント失礼します。いつも更新楽しみにしている読者です。お話の書き方や表現の仕方が大好きで、いつも感動してしまいます。移行されるということで、これからも楽しみに読ませていただきます😭😭応援してます! (10月11日 11時) (レス) @page48 id: e8dd8a012a (このIDを非表示/違反報告)
音湖(ねこ)(プロフ) - シリーズ完結おめでとうございます、お疲れ様でした!!最後までドキドキしながら読ませていただきました笑 最初から全て見返したのですが、4人の絆や橙くんとの信頼関係など見れてとても楽しかったです…!! これからも更新がんばってください!! (10月9日 19時) (レス) id: 8082cd32f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2023年8月22日 20時