. ページ23
.
橙side
「 ごめん 」
何日か入院と言われ訪れた彼の病室で、酸素マスクを息で白く染めながら小さく吐かれたその言葉を俺たちは重く受け止める
医者によると、ODだけでなく腕や手首に自傷の跡が多数見られたって。きっとだいぶ前から色々な自傷行為を繰り返してたんじゃないかって言われた
俺たちは、気づけなかった
いや、違和感をただの変化だと決めつけて見逃していたのかもしれない
「 …気づいてあげられなくてごめん 」
「 、謝んなし……、俺が全部悪いから 」
さとちゃんは天井を見上げたまま俺たちを見ようともしない
何を考えて、何を思っているのか。分からなくて少し怖い…
「 …なんでこんなことし始めたの 」
「 、俺なんの取り柄もないなって…悩んで、ダメだって落ち込んで……、だんだん寝れなくなって
薬とか…色々やったけどなんの意味もなくなって…、意識飛ばすでもいいから現実から逃げたくて…それで見つけたの
自力で意識飛ばせる方法。ただそれだけ……ずっと逃げてただけ… 」
その目に光なんてなくて…、彼の抱えた闇に飲み込まれそうになった
「 取り柄なんていっぱいあるじゃん！そこまで悩む前に僕たちに、相談とかして欲しかったよ…、 」
ポロポロと床に涙を落としながら、ころんは言う
「 ごめん…、ごめん。……こんな弱い俺で、本当に申し訳ない 」
さとちゃんの瞳から1粒の涙が枕に吸い込まれていった
「 こんな…俺で、、ごめんね。俺が悪い…よ、っは…俺が…悪いから…はぁっ、 」
さとちゃんは涙を流しながらこんな言葉ばかり投げかけてくる
次第に彼の呼吸が乱れてきて、彼についている機械が異常を知らせる大きな音を鳴らし始めた
「 、はぁっ、っ、…ん、っは……、 」
「 さとちゃん、落ち着いて聞いてな…な？大丈夫。ゆっくり呼吸して… 」
さとちゃんの呼吸が少し落ち着いたところで俺は口を開く
「 さとちゃん…まずはさ自分を許してあげて。俺たちはさとちゃんのこと大好きやし、責めてなんて全くないから。
そしたら次、いつも頑張ってる自分沢山褒めて愛してあげてな。さとちゃんはホンマにホンマに凄い人やし俺たちにとって特別で必要な人やから 」
「 そうですよ、僕さとみくんのこと大好きだよ 」
彼の真っ白で細い手に全員で手を重ねる
この手を絶対に離さへんし、この温もり絶対に忘れさせへんからな
.
許して、褒めて、愛して−fin.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リーベ - 夢代行サービス、とっても良かったです…！死ネタは苦手なのですがこちらのお話は最後まで泣きじゃくりながら読めました(ノД`)・゜・。素敵なお話ありがとうございました。 (8月20日 3時) (
レス) id: 09300b9193 (このIDを非表示/違反報告)
はゆの(プロフ) - らふのすけさん» 了解しました！ (2023年2月14日 13時) (レス) id: b5eb2ea323 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - すなねこさん» 兄弟パロ！ありがとうございます🙌かしこまりました！ (2023年2月14日 9時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - はゆのさん» ありがとうございます🙇♀️予定ですが、46話での公開になると思います！ (2023年2月14日 9時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
すなねこ - かいてくださりありがとうございます!!めちゃ刺さりました､､。リクエスト失礼します！兄弟パロで桃くんいじめでおねがいします!!看病は赤くん中心で、できれば青くんが体弱くてみんな桃くんに気付けないシチュお願いします！ (2023年2月11日 22時) (レス) id: 9b8c3c3801 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らふのすけ | 作成日時：2023年1月8日 2時
