Symphony３【病系】【短編集】

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水side









「 …友達か 」

帰り道、夕焼け空の元自転車を漕ぐ



ネット上での友達と呼べる人はいるかもしれないけど、僕に友達は正直多くないだろう

そんな中突然できた友達


めんどくさいことはしたくない。そんな僕が彼のお願いに即答してしまった

「 なりましょう！友達！ 」

なんてダサかったかな？ｗ

ああやって言われることが内心凄く嬉しかったんだと思う




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「 友達には何して欲しいですか？ 」

「 俺の病室遊びに来てください。あとたまに電話とかしませんか？ 」

「 いいっすね！早速今日の夜でもいいですよ 」


なんて友達初心者すぎる僕達は電話番号を交換し、「バイバイ」なんて言いながら手を振って彼を見えなくなるまで見送った



家に着いて、約束の時間。彼の携帯番号を打って電話をかける

プルルルルと音が聞こえる度に、胸が少しドキドキして自分が緊張していると気づく



「 ぁ、もしもし 」

［ もしもし。ころんくん？ ］

「 そうです。莉犬くん 」

［ ふはっ、ありがとうございます電話 ］

「 いや…ぁ、敬語やめません？ 」

［ 確かに！そうっすね！ ］


さっきまで病院で話してたって言うのになんか電話ではぎこちなくなっちゃう

学生時代彼女と夜電話していた頃を何故か思い出した



それから毎晩数分間、莉犬くんと電話するのが日課になった

1日あった事だったりを話す、僕の話をきゃははと笑いながら楽しそうに聞いてくれるのが凄く楽しかった



「 おやすみ莉犬くん 」

［ うん。おやすみころちゃん ］


一人暮らしを始めてから言うことの無くなっていた「おやすみ」というこのたった4文字を言い合える相手がいるのがとても安心できて好きな時間だった




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