Symphony【病系】【短編集】

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水side








「 だからちゃんと文章読んで。書いてあるやん 」

「 あﾞぁﾞ無理！国語つまんない 」


文章読んでると頭痛くなるんだもん、数学の方が楽しいよ

机に項垂れる僕をジェルくんは気にしながらもペンを進める


保健室に登校し勉強する

ジェルくんと2人のことの生活ももうすぐで1ヶ月だ





「 なぁころん 」

「 ん、何？ 」

「 俺ずっと考えてたんやけど、ころんの心不良品なん？ 」

「 え、あぁそうだけど 」

「 俺の心も不良品やけどさ、ころんはそうは見えへん 」


真面目な顔が真っ直ぐ僕を見つめる


そうだよ僕の心はジェルくんとは違う意味での不良品だから




「 …知りたい？ 」

「 え、うん。ダメ？ 」

「 ダメじゃないけど… 」



ジェルくんになら話してもいいかも

僕の秘密のこと







＿







高校1年の冬

もうクラスにはジェルくんが居ない日の方が多かったな




体育の授業でふざけているうちにある男子生徒の肘が思いっきり左胸に入った

僕はその瞬間ﾀﾋんだ。そんで生き返った


でも僕の心臓は以前みたいには戻らなくて、運動制限や定期的にくる軽い発作

それに急に無駄に親切になる友人や担任も、教室で迷惑かけちゃうことも嫌で保健室登校することに決めた


だから僕の心は不良品






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「 なんも知らんかった… 」

「 まぁあんまり言うことじゃないしね。暗い話はもう終わり！さ、勉強しよーっと 」


僕がそう言って机に目を落とすけどジェルくんは僕を見たまま




「 なに？ 」

「 ん、いや…w 俺なんも知らんかったなぁって 」


そうやってぎこちない笑顔を作る彼は、こんな僕にも寄り添って凄く優しい心の持ち主ってことが良くわかる






「 ねぇジェルくん。僕達さ頑張ってるよね 」

「 ん？おん。 」

「 普通じゃないけどさ、普通っぽく頑張ってるの偉いよね 」

「 そうやな 」

「 じゃあ同盟組まない？2人で。不良品同盟 」

「 …いいやん。2人なら俺も頑張れる 」



差し出した手をジェルくんはぎゅっと握ってくれてさっきより嬉しそうな笑顔を向けてくれた




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心になにか抱えてるからって楽しめないのは違うじゃん？

だからさ、2人で色んな偏見も乗り越えて見せよう





今日から僕ら、不良品同盟 だ





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不良品同盟−fin.


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