Symphony【病系】【短編集】

06_不良品同盟［橙×水］ ページ21

▶︎不登校気味の生徒×秘密を抱えた人気者生徒

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橙side










人混みが苦手で、音が大きいところ苦手で

一度サボるようになっちゃったら次行った時の疎外感が凄くて、自分のことをどう思われてるか不安になって

どんどん学校に行くのが嫌になって…


誰も俺の気持ちなんて分からないはずなのに、分かった気になってまくし立ててくる先生が嫌いで…

俺は不登校の生徒になった





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でも、大学には行ってみたかった

兄ちゃんや姉ちゃんが大学というところで楽しそうにしているから。自分の人生が広がると思ったから。


そのためには学校に行かなきゃダメだった

卒業出来なきゃ大学には行けないからね






やっぱり学校は緊張する

校門を通るだけなのに、見えない境界線があるようで心臓がどくどくと鳴っている


もう普通の生徒はとっくに登校している時間、俺は校門をくぐり静かに保健室に向かう





「 …こんにちは、 」

「 あ！こんにちはジェルくんだよね？ 」

「 ……はい、 」

「 来てくれてありがとうね。ここ座って 」


普通の保健室、いるのは保健室の先生と教員免許を持っている先生と俺だけ




「 本当は今日もう1人居るんだけどね、今そこで寝てるの 」

養護教諭の方が指さしたカーテンの先に誰かが寝てるらしい


「 、起きてるよ 」

カーテンがシャッと開いたと思えば見覚えのある顔の生徒が立っていた




「 、え… 」

「 あ、え、ジェルくんじゃん 」


1年の頃同じクラスだった

その頃から全然学校に言ってなかった俺にもよく話しかけてくれたなんでも器用にこなせる生徒

名前はそうだ



「 、なんでころんがここにおるん？ 」

「 ん？あぁ、僕の心不良品になっちゃってさ 」

なんてふはって笑うその笑顔は1年の頃から変わらない


“不良品”というその言葉に自分を重ねた

俺もそうだなって共感したから





「 ジェルくん学校来れるようになったんだね、一緒に頑張ろ勉強 」

「 、おう 」


ひとりじゃないって分かったら、少し勇気が出た





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