Symphony【病系】【短編集】

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赤side








もう友達は作らないって決めたのに、

もう人生を諦めていたのは俺なのに、

もう、居なくなるのは＿＿＿＿俺なのに、


俺は悪い人だ





ケセラセラ


これは俺にとって望みの言葉で、呪いの言葉




なるようになる


その果てがこれか






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「 …ジェルくん？ 」

「 ん？ 」

「 俺さ退院したらジェルくんと遊び行きたいな 」

「 あーそやな。どこ行く？ 」

「 遊園地とかどう？ 」

「 いいなぁ、楽しそう 」



ジェルくんには俺が少し体調悪いだけに見えているんだろうな


本当はそんなことないのに




またこうして、未来の話なんてして


俺が生きる気でいるって、勘違いさせちゃうな。ごめんね









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橙side








ある日の深夜、普通に眠っていると物音で目が覚めた

隣りのベッドからの音で、莉犬が結構長いこと咳き込んでいる



最近よく咳をしているし、今すぐ飛んで行っても「大袈裟。寝てていいのに」って言われる気がして少し様子を見ていた




段々と激しくなって行く咳、そろそろ辛そうだなと思って彼のベッドに行こうとした時

先程までの咳がピタリと止んで、ガシャンと何かが床に落ちる音がした



その音にびっくりして飛び起きる

莉犬のベッドのカーテンを開けると、その光景に一気に目が覚めた






莉犬は口から血を流し、机に倒れ掛かるような形でピクリとも動かなかった



「 、っ莉犬？莉犬！？ 」

直ぐにナースコールを押して、看護師さんやお医者さんがやってくる



あっという間に莉犬はどこかへ運ばれて行ってしまった










＿











人間は、想像以上に呆気なく居なくるらしい







ドラマや映画では何か遺しがちだけど、全くそんなことなくて



跡形もなく綺麗に片付けられた隣のベッドに彼は居ない








後から聞いた話だが、莉犬は余命3ヶ月でいつこうなってもおかしくなかったみたいだ





「 、っ……バカ 」


ケセラセラ

莉犬、これが なるようになった 結果なの？






あぁ、俺はこれからどうしようか


ひとりぼっちになった俺は、どうすると思う？莉犬




ふと、莉犬から貰ったレモンが目に入る


これ、莉犬の可愛らしい落書き入りだった





分かったよ、莉犬


ケセラセラ


俺はこの言葉を信じてみるよ＿＿＿＿





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ケセラセラ−fin.


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初めてのﾀﾋネタですˊᵕˋ

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