Symphony【病系】【短編集】

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橙side









あれから1週間後、莉犬がヘラヘラしながら病室に戻ってきた




「 莉犬！ 」

「 あ、ジェルくんごめんね心配かけちゃって 」


点滴を繋いで、車椅子に乗って、とても体調が良くは見えへんけどその笑顔に少しだけほっとしたんだ





「 ほんまに心配したんやで？ 」

「 ごめんごめん。俺、結構こういうことあるからあんま気にしないでw 」

「 いや、無理やろ。俺と莉犬もう友達やし 」

「 友達…そうだね！俺もジェルくんが突然居なくなったら悲しくて泣くw 」


「 俺は居なくなる気さらさらないで 」

「 うん。俺も 」



簡単に自分の人生諦めたような言い方を莉犬にしてしまった、あの何もわかっていない時から俺は少し成長できただろうか

生き急いで、こんな小さな壁も乗り越えようともしないでやさぐれてた俺が今は間違っていたんだってはっきり言える



莉犬はずっと戦い続けていて、きっと俺が想像できないような辛さも経験しているのに常に笑顔だから

俺も莉犬みたいになりたいって思った





「 ジェルくん、ケセラセラだよ 」

「 ケセラセラって何なん？ 」

「 “なるようになる”ってこと 」

「 なるようになる…か、 」

「 うん。俺は運命に逆らわないし、ここでジェルくんに出会えた運命にありがとうって思ってるよ 」

「 …そうやな 」


「 …ｯ､ｹﾎｯ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ……ｯﾊｧ 」

「 え、大丈夫か？ 」

「 ｺﾞﾎｯ…､ﾊｧ…ぁ、うん、ｹﾎｯ……w
大丈夫だよ、？w 」

「 いや、ほんまか？ 」



突然激しく咳き込む莉犬

肩を揺らしながら呼吸をして、辛そうに胸を抑えている




「 、横になれるか？ 」

「 ……うんｯ､ありがと…… 」


「 、熱？じゃないか 」


莉犬のおでこに手を当ててみるけど熱っぽい感じはない




「 ふはっ、ごめんね、ｹﾎｯ…これ風邪じゃないから……w 」

「 、そかw あ、じゃあ俺になんかできることある？ 」

「 うーん、じゃあ約束して 」

「 約束？ 」

「 、俺がどんなに辛そうにしてても…そばにいて欲しい 」

「 …w 何言うてん、縁起でもない 」


「 約束、してくれる？ 」


莉犬の黄色と紫の目が俺を映して離さない





「 、分かった。約束する 」



莉犬の手を握って、約束した

すると莉犬は安心したようにゆっくり目を閉じた




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